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ついに迎えたクリスマスの日。思えば、こういう関係になってから2人で出かけると決まっても、わたしから誘うことは少なかったように思う。というか多分、初めてかもしれない。
雰囲気を大事にしたい、とドギョムとは宿舎を別に出て、待ち合わせ場所で待ち合わせをしてからデートに向かうことになった。いつもなら、頼りにしているメイクさん達の力を借りるところだけど、今日は自分で頑張ってみた。理由はなんとなく、本当になんとなく。
指定されていた待ち合わせ場所にドギョムらしき人はまだいるようには見えなくて、緊張しちゃうな、とか思っていたら、後ろから「A」と肩を叩かれた。
『ソクミナ！』
DK「お待たせ。待たせちゃった？寒くない？大丈夫？」
『うん。今来たところ』
ドギョムは「そっか」と言いながらわたしの頬に触れ、「寒いね」と微笑む。
DK「…うーん」
『なに？』
DK「なんだろう？いつもより、可愛い」
真っ直ぐ、ただ真っ直ぐとそう言うドギョムの言葉に胸がキュとして、顔に熱が集中していくのが分かった。ドギョムはズルい。触れる手に熱が伝わるのも分かって、ドギョムはそれに気付いたのかフフッと笑っていた。
『もう、行こう。早く』
DK「フフッ、はーい！僕が考えたクリスマスデート、楽しもうね」
誘ったのはわたしからだったけど、ドギョムがデートプランを考えさせてほしいと言ってくれて。そこに関しては甘えることにした。ほら、わたし恋愛経験がないが故にデートって何をするのか未だによく分かってないし。
ドギョムが考えてくれたデートは王道と言ってしまえばそうなんだけど、とても楽しくて。ちょっと良いレストランに行って、2人でワインとか飲んじゃって。デザートには小さなホールケーキが出てきて、2人でそれを食べた。「チキンを食べるクリスマスも良いけど、こういうクリスマスもありだね」とか言いながら。
お腹いっぱいになって、お店の外に出ると冷たい風が鼻をくすぐる。イルミネーションだらけの街はこんな時間でも明るい。
DK「Aヤ」
そっと差し出された手。でも今はもう少し距離を縮めたくて、腕を掴むようにするとわたしのやりたいことが分かったのか、わたしたちの腕が組み重なった。
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作者名：柚紀
| 作成日時：2022年12月26日 11時
