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side青
それから、ほぼ毎日あの公園で、同じ時間に会うようになった。
次の日には、ジェシーは俺の1つ下で、英語の先生をやっているのだと知った。
そして俺は英語が堪能な同期に教えてもらいながら、仕事の合間に英語を必死に勉強した。
ジェシーといる時間は凄く楽しくて、英語は大変だけど、数日もすれば一日の楽しみになっていた。
あっという間に時が過ぎて、ジェシーと出会って話すようになって3ヶ月が経った。
季節も移り変わる頃で、公園の景色も徐々に変わり始めていた。
そんなある日、今日も今日とて仕事帰りに公園に寄る。
夜だから基本的には誰もいなくて、いつもの東屋を見れば、大きく手を振って俺を待っているジェシーがいた。
僅かに街灯に照らされたジェシーは、今日も一段とかっこよく見える。
「《お疲れ、樹》」
「《お待たせ。お疲れ》」
「《突然なんだけどさ、樹ってガールフレンドとかいるの?》」
「《え?》」
「《今までこういう話したことなかったなーって思って》」
「《いや、いないよ。・・・好きな人は、いるけど》」
そう、俺は今好きな人がいる。
ある日偶然出会った、かっこよくて、優しくて、面白くて、一緒にいて楽しくて、いつも会う度に帰りたくないなって、そう思う人。
・・・今俺の横に座る、ジェシー。
いつからだったかな。わからない。
気付いたときには、もう俺の頭はジェシーのことでいっぱいだった。
好きな人に向かって「好きな人がいる」と言うのはなかなか勇気が必要で、膝の上でジェシーに見えないように拳を握った。
「《そうなんだ。俺もいるよ、好きな人》」
遠くを見てそう言うジェシーに、やっぱりそうだよな、カッコイイもんな、なんて勝手に落胆していると、彼はまた言葉を続ける。
「《一目惚れだったんだ。たまたま道端で会って、それから毎日会って沢山話して、俺のために英語を頑張って勉強してくれてる、可愛い人》」
「え、それって・・・」
「そう。樹、君だよ」
「あ、え、日本語・・・」
「ごめん。俺、本当は日本語喋れるんだ。バイリンガルってやつ。マミーが日本人だから」
「・・・なんだよ。そうならそうと言ってよ。俺てっきり・・・」
「ほんとにごめん。悪気はなかった。最初に会った日は、ぶつかったことにビックリしてテンパって、つい英語になっちゃったんだけど・・・」
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彩佑実(プロフ) - (かな名前)さん» コメントありがとうございます。パスワードを解読後、スクロールして頂きますと、下の方に◎と○の付いた文章がありそちらが条件となります。ご理解、ご協力頂いた後フォロリクを送って頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2022年6月10日 19時) (レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
(かな名前)(プロフ) - コメント失礼します。Twitterの必読を見たのですが条件ってどこに書いてありますか? (2022年6月10日 19時) (レス) @page49 id: 937383c613 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして。コメントまで下さりありがとうございます。私も末ズのときの緑くんが好きなので早い段階で書こうと決めていました。楽しんで頂けてとても嬉しいです。不定期となりますが、これからも何卒よろしくお願いします:) (2021年11月30日 22時) (レス) id: 22c3e91f96 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。緑くんが絡むお話が好きでお邪魔しました。実は他に推しCPがあるのですが赤くんとの時は右側の緑くんすごく好きでして。お話、とても楽しませて頂きました。これからも素敵なお話楽しみにしています✻ (2021年11月30日 21時) (レス) @page8 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩佑実 | 作成日時:2021年11月27日 23時