検索『かにう”ぁりずむ』検索結果『横浜の喫茶処＊２店舗目』【文スト】×【東京喰種】

story42─酸化した世界 ページ15

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△織田side▼






先程、何処にも行きたくないと、俺の質問に答えた子供は、まるで俺の友人のような目をしていた。
この世をどう生きるのか、どうやって生きていくのか、分からずに彷徨い続けている目。



「……酸化した世界」

「……酸化？」



隣で不思議そうに首かしげる。口ではああいうものの、仕草は子供らしい。矢張り彼女は彼奴と似ている。



「あぁ。俺の友人がこの世の事をそう云っていた。お前もそう思うのか？」

「酸化した……世界」



彼女は、少し考えたような仕草をしたあと、ゆっくりと頷いた。



「私は……覚まして欲しい。この酸化した世界から、私を目覚めさして欲しい」



唐突に、されど落ち着いて彼女はぽつりぽつりと自分のことを話し始めた。
自分が喰種と呼ばれる食人鬼だということ。そして、その影響で親を殺したこと。だから行く宛がないこと。



「……俺は、別に同情するつもりは無い。ただ、居場所は提供出来る」

「……え、……な……？」



俺がそう口を開くと、隣の彼女は口を金魚のようにぱくぱくさせている。
……何処にそんな驚くことがあっただろうか。



「え、あ、あの……怖く、ないの」

「？何がだ？」



彼女はぴたりと動きを止めると、急に脱力し諦めたようにため息を着いた。









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