story71─おもちゃ箱 ページ44
.
「トーカちゃん何処!……うっ」
ドンッと誰かにぶつかり、衝動で私はよろけた。
「あら、ごめんなさい?大丈夫かしら?」
赤毛の三つ編みの少女。にっこりと私に微笑みかける少女に、私は警戒態勢をとった。
だってこの子に私、殺意しか感じないですから。
「「見付けたッ!」」
谷崎君と声が被る。赤毛の少女の後ろから聞こえてきた谷崎君が、彼女の肩に手を置いた瞬間
「遊びましょ☆」
「!?」
「ようこそ、アンの部屋へ」
景色がガラリと変わった。ぬいぐるみ、風船、プレゼントの箱……まるでおもちゃ箱だ。
主犯と思われる赤毛の少女は、混乱する人々をまとめるかのように前に出て喋り出した。
「あらもう嫌だわ、こんな沢山の方たちに見詰められて。あたし初対面の方とお話するの苦手なの」
トーカちゃんは何処だろう。
「でも駄目ね。ちゃんと説明しなくちゃあ、皆さんお困りだわ。きっと凄くお困りだわ」
話が長い。トーカちゃんは何処。
「だってこんな見知らぬ所に突然連れてこられたんですもの。あたしだったら心臓が飛び跳ねて──」
「ナオミは何処だ」
私がもう少女の話に飽き飽きしていると、突然殺気の篭った声がした。どうやら、谷崎君と敦君もこの場にいるようだ。
「あらご免なさい。その説明が最初よね。探偵社……それと、喰種の皆さんはあちらよ」
「賢治君!ナオミ!」
トーカちゃんに賢治君、ナオミが扉の奥の方に見えた。
それと同時に、”喰種”という単語が聞こえた途端、巻き込まれた人々がざわめき出す。
何だか、腹が立ってくる。
谷崎君が、どうにか開けようと扉を叩くも、鍵が無いとあかないらしい。
開くのは白い向かいの扉。そこから見える景色、それは───
「外の景色が……静止してる」
敦君の呟きが、彼女が異能力者であることを確定させた。
.
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うりゅき(プロフ) - 明けましておめでとうございます!モンゴメリちゃんも色々抱えてますからねぇ。いつかは弓月ちゃんとモンゴメリちゃんを絡ませたいです笑 森さんの殺気、どういう反応にするか迷ってるんですよねぇ。今年も私共々この作品をよろしくお願いします! (2019年1月1日 11時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - あと、少し遅れましたが明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 更新お疲れ様です!森さんとの絡みですね〜!敦君は流石です!ルーシーちゃんは、喰種ごときって...泣く... 森さんの殺気どう反応(?)するのか、気になります!次回の更新楽しみにしてます! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
うりゅき(プロフ) - 黒い天使さん» コメントありがとうございます!異能力者VS喰種ですね!私も書きたい衝動に駆られうずうずしてます(笑) (2018年12月28日 18時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 真逆、原作の交差点だとは!トーカちゃんなら羽赫使って自力で脱出しようとするだろうなぁ…って思います(笑)森さんと、どう関わるのか気になります!更新お疲れ様です!次回も待ってます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りうゅき x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sHihamu131/
作成日時:2018年9月30日 20時