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そこからのAの仕事っぷりは目を見張るものがあった。
拍車がかかったかのように仕事量が増え、覚えることも沢山あった。
台本を覚えては、セリフを言い、
イベントに出ては、笑顔を振りまき。
仕事をしている間は鈴木のことを考えずに済んだし、むしろキツキツでやっていた方が助かったといえば助かったのだが…。
気になってしまうのも事実。
正直な話、全ての作品に全てを注げたかと言われたらノーと言わざるおえなかった。
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・
そんな矢先、「A。」「Aー。」と声をかけてきたのは浅沼と上村だ。
仕事詰めの毎日と鈴木のことでぼんやりとしていたAに、精気が戻る。
「上村!浅沼先輩!」
浅「頑張ってんじゃん。」
「お久しぶりです、頑張ってます!」
上「無理しちゃダメだよ?倒れたら元も子もないんだから。」
「はいはい、心配ありがと。」
浅「……ねぇ、Aさ。達と喧嘩したってほんと?」
「!あ、れ…そんな話題ですかそれ……。」
浅「まぁちょっとは。」
「…まぁ、喧嘩っていうか、なんていうか…。
でも私、ちょっと大きな仕事が決まって肩に力入ってたのか、さっきまで忘れてました!」
浅「嘘つくな。…達と喧嘩したまま、本当にその大仕事に集中出来んのかよ。」
上「……」
「…勿論、集中しなきゃいけなっ」
浅「そんな建前聞きたいわけじゃないんだけど。出来ないでしょ?達の事気にして、仕事に集中出来ないはずだよ。それが大きい仕事なら、尚更。」
ズバッと核心をつかれて、口ごもる。
浅沼が言うことはいつも正しい。
そりゃ大先輩だから。
当たり前かもしれないけど。
正論を言われるというのは、逃げている人にとって一番辛い。
分かってる。
自分が一番わかってる。
逃げてることも、
謝らなきゃいけないことも。
Aは、気まづくなって下を向いたまま「…今日は、失礼します。」と言って走り去った。
そんなAの寂しい後ろ姿を見つめ、思わずポソッとつぶやく上村。
上「…浅沼さん、甘いだけじゃないんですね。」
浅「そりゃこれは仕事だから。それに、この仕事すげぇ好きなのはAも一緒だし。」
上「鈴木さんとの仲を戻すのも、結局Aの為…って事ですか?」
浅「まぁ、…そういう事。」
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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - くるみさん» あれま!私としては字の間違いはまぁ恥ずかしいので今回みたいな”引く””敷く”の大きい間違いだったらむしろありがたいです笑 こちらこそ、これからも読んであげてくれると嬉しいです! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» いえいえ。前に違う作品で訂正コメした時にめちゃくちゃ怒られたんで迷ったんですけど受け入れて頂けてよかったです。これからも頑張ってください。 (2019年12月22日 1時) (レス) id: 15b12e1c33 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - くるみさん» 訂正ありがとうございます!直しますね〜!!;; (2019年12月21日 14時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 布団は“敷く”ですね (2019年12月20日 15時) (レス) id: 15b12e1c33 (このIDを非表示/違反報告)
みかんですねん(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» ボードのことはすみませんでしたこれからも頑張ってください (2019年11月24日 3時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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