【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ７【愛され】

▽堀江の話。(ねねさん ﾘｸ) ページ37

夜。

この日はオーディションが最後の仕事だった。

部屋から出て、｢これで終わりか…。｣と11の文字を針が刺している腕時計を見つめる。

気づいたらもうこんな時間。
あっという間に一日が過ぎていた。

あとは家に帰ってご飯を済ませ、寝るだけである。

｢帰りにスーパーでも寄って自炊かなー｣なんて考えていると、ふと久しぶりな声が後ろから聞こえた。



？｢青空。｣

｢…？あ堀江！｣

堀｢久しぶり。｣

？｢青。｣

｢上村も居んじゃん久しぶり！｣

上｢久しぶり。仕事終わり？｣

｢そんなとこ。そっちは？｣

堀｢SparQlewのインタビュー。｣

上｢他の3人は今日休みだけど。｣

｢あぁそっか二人ともKiramuneだ。｣



話しかけてきたのは、堀江瞬と上村祐翔。

歳は、同い年か一つ違いの二人。

いわゆるAの同期というものに当たる。


勿論、知り合ったのは三人とも名前が売れてきた頃だったし、昔から仲がいいわけじゃない。

でもなんとなく、まだこの業界に慣れていない時でも｢愚痴聞いて欲しい？｣｢うん。｣と、幼馴染みたいに傍に居た。

今も、久しぶりに会ったはずなのに久しぶりな気がしない。

・

そんな風に｢懐かしい…｣なんて昔のことを思い出していると、ふと｢青空今帰る？｣と堀江がAに聞いた。

なんでそんなこと聞くのだろう。

その意味にわからないまま、｢？うん、今日は家でご飯かっ…｣と言いかける。

だが、自分が言ったその言葉でこの二人の策略が見えた。









堀｢じゃ決まり。どこ食べに行くか悩んでた所だから丁度よかった。｣


上｢ご馳走様。｣


｢あぁそういう事…？｣





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