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それぞれ好きなものを買って、花火から少しだけ離れた人通りの少ない河川敷に二人で座った。
辺りは、みんな花火に向かっているからか静かだ。
Aは焼きそばを、
浅沼はさっき言っていたりんご飴をほお張る。
「綺麗ですねー…」「A、口ソース。」「ん。」とポツポツ喋りながら、ずっと空を見上げる。
花火からそう遠くない河川敷なので、離れたとはいえ花火の音もスケールも大きい。
一年に一回しかないこの日。
うっとりと空を眺めていると、「…A。」と浅沼の声で名前を呼ばれる。
「何ですか?」
浅「…んーん、呼んでみただけ。」
「なんですかそれ.笑」
浅「…ねぇ俺の事も名前で呼んでよ。先輩とかナシで。」
「名前で?あーっと…、晋太郎?」
浅「もっかい。」
「晋太郎。」
浅「もーいっかい。」
「…晋太郎。」
浅「…んふふ。」
「なんなんですかほんと。」
心底幸せそうな顔をしている浅沼を見て、こっちまで笑ってしまう。
名前を呼ばれる事がそんなにも嬉しかったのだろうか。
…ッカリっと響く、りんご飴をかじる音が心地いい。
浅沼の顔をちらっと見ると、口元にりんご飴の欠片がちょこんとついていた。
「浅沼先輩、口付いてますよ。」と手を伸ばして指先で拭う。
その手に驚いた、というか照れたらしい浅沼は、「…お前さぁ……」とバツの悪そうな顔をしていた。
でも暗くて、それ以上の表情は伺えない。
「浅沼せんぱっ…」と名前を言いかけるが、コツンっ…とあたる額と額に何も言えなくなってしまう。
大きく打ち上がった花火に照らされたお互いの顔は、随分腑抜けている。
浅「顔真っ赤。」
「…そっちこそ。」
浅「…ね、ちゅーしていい?」
「ダメです。」
浅「けち。」
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小吉。(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» ヲタクが止まらないので続きはTwitterに突撃します笑笑 (2019年8月19日 21時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - ねねさん» 堀江私も大好きなんですよ!!!そして上村も!!!だから出しました!!!(欲に忠実) 毎回毎回嬉しい言葉ありがとうございますっ…宜しければリクエスト是非〜! (2019年8月19日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 小吉。さん» ひゃ〜!なんとなんとっ!私のファンだなんてそんな…申し訳ない…(( 私も倉持大好きです。彼は彼氏力が強すぎる。好き。Twitterは、@myupom_0707 になってます!宜しければ! (2019年8月19日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - リク受付ていただいてほんとうにありがとうございました………よろしければまたリクしてもいいですか………?みゅーぽむさんの書く浅沼とかえぐとか良平くんとかほりえとか最高すぎて…大好きです………ハァ………(頭を抱える) (2019年8月19日 0時) (レス) id: 1658b791df (このIDを非表示/違反報告)
ねね(プロフ) - うわああああああぁみゅーぽむさん、ほりえが!!!!!!!!可愛すぎて頭壁に打ちましたよえぇ!!!!!!最高すぎて、大感謝でもう…ありがとうございます。 (2019年8月19日 0時) (レス) id: 1658b791df (このIDを非表示/違反報告)
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