【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

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ベンチの後ろに静かに佇んでいる花。

小さいながらも、可憐で華奢で。
不思議な魅力がある紫陽花。

青色と桃色の紫陽花が、様々に咲き誇っている。


あまりの綺麗さに言葉を発さないままじっと紫陽花を見つめていると、ふと浅沼がAにポソッと話しかけた。



｢…Aさ、紫陽花の花言葉知ってる？｣

｢紫陽花ですか…向日葵は貴方だけを見つめる、でしたっけ。｣

｢有名だよね。あとは？｣

｢薔薇は貴方を愛している、チューリップが愛の告白でー、桜が純潔…とかでしたっけ。｣

｢随分と色恋沙汰関連が多いみたいだけど。｣

｢オタクを何年もやってると自然に身に付くんですよね…こういう豆知識……。｣

｢あぁ推し事。｣

｢です。｣



そんな話をしながら、二人で紫陽花を見つめる。

同人誌の内容や表紙に花言葉がかけられていたりだとか、公式絵で推しが手に持っている花言葉を調べたりだとか…。

何かと"〇〇言葉"系に縁があるのだ。

雨は、紫陽花にぴしゃっ…と跳ね返ってAの頬についた。

それを｢ついてる。｣と拭ってくれる浅沼。


そういえば、浅沼から聞いてきたということは浅沼は意味を知っているのだろうか。

いや、知っていなければ聞いてこないだろう。

｢浅沼先輩、結局意味はなんなんですか？｣と聞き返した。


意味を知っているかと聞かれてわからないのだ。

気になるだろう。


すると、浅沼は｢んー。｣と少し考えたあと、Aの口にそっと人差し指を当てる。

大人の色気…とでも言うべき雰囲気を纏って、うっすら微笑む。









｢…さぁ、なんでしょう。｣


｢……っえ。｣


｢ほら行くよ、雨が止んじゃう。｣


｢ｯちょ…教えてくれないんですか！？｣






彼女への気持ちが、花そのものだから。

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色に注目して調べていただけると嬉しいです。

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