階段 ページ25
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無言を否定と捉えたのかわからないが、藤本さんはそのまま話し始めた。
「私、水上くんと小学校の時一緒でね?
仲良いわけではないんだけど…
一回隣の席だったことがあって、その時に私、簡単な問題なのになんもわからなくて。クラスの頭がいい子にばかにされたんだよね」
私の知らない話がスラスラと出てくる。
私が知ってる颯くんは、小学生ではない。
中学に入学したあの日からの颯くんしか、知らない。
「水上くんだって頭いいのに、怒ってくれたんだよね。
私、その時からずっと好きなの。
だから高校入って水上くんがいて嬉しかった。
修学旅行の時、仲よさそうな2人見て苦しくなって、でも付き合ってないって噂聞いたから……」
さらさらと流れ始めた涙にびっくりする。
私が颯くんと仲良くすることでこんなに人を苦しめるのか、と少し怖くなった。
ごめんね、と階段を駆け下りて行ってしまった藤本さん。
引き止めようと咄嗟に伸ばした手は空を切った。
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沙月(プロフ) - な、僕の初めて覚えて、好きな百人一首じゃないか...つられて読みにきたらおもしろい...お気に入り登録させていただきました! (2019年9月25日 22時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すぺるさん» わあああ!!!!!できました(;-;)ありがとうございます恩人です本当にありがとうございます(;-;) (2019年8月10日 22時) (レス) id: b994d8a981 (このIDを非表示/違反報告)
すぺる(プロフ) - 続編は、前編の編集ページの最後らへんに挿入部分がありますよ…! (2019年8月10日 21時) (レス) id: bc24737c16 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます;;調べたところそのような事例もあるようなのでご都合主義が過ぎますが、修士を飛ばすという形にさせていただこうと思います。参考になりました!本当にありがとうございます! (2019年7月27日 8時) (レス) id: b994d8a981 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - はじめまして。大学院の制度ですが私の高校の時の恩師が大学卒業後修士をすっ飛ばして博士に通ってました。学校によるのかもしれませんがそういう制度があるにはあるみたいです。ただし審査がとても厳しいみたいですが… (2019年7月27日 0時) (レス) id: 84c575c695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら | 作成日時:2019年7月20日 8時