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男女の双子は心中した恋人達の生まれ変わりであると。
昔の人はそう信じていたらしい。


「(心中なんてしていないのに、どうしてなんだろうな)」

「(どうして俺達は兄妹になったんだろうな)」


ただ自分の心の中でそんな疑問を次々と唱えていく。誰も答えは返してくれないのに。


「昔は、手をつなぐだけで嬉しかったのに。今はこんなに辛いなんて」


Aの手をぎゅっと握りしめながら炭治郎はぽつりと呟いた。

二人で一緒に笑い合うたびに胸が締め付けられて息苦しくなるなんて、以前ならば絶対にならなかっただろうに。


でも、彼女の身体が血濡れに染まっていたあの頃に比べれば何倍も幸せなのかもしれない。
辛かっただろうな。痛かっただろうな。


眠り続けるAの寝顔。


そうだ。決めていたんだ。この世界に生まれ落ちた日からずっと。


今度こそは絶対に、辛い思いも痛い思いもさせない。



Aの寝顔を見つめながら炭治郎はゆっくりと目を閉じていった。

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作者名:さぬやぎ | 作成日時:2020年4月13日 13時

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