検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:8,575 hit

2 ページ2





「……え」


伊之助のその言葉にその場にいた三人が思わず動きを止めた。そして三者三様の反応をそれぞれが見せる。炭治郎は悲しそうに眉を下げて、Aは感情のわからない表情で伊之助を見つめ、善逸はそんな二人を悲しそうな顔で見ていた。


「あ? だってお前ら二人はお互いのこと好きなんだろ。じゃあ『こいびと』じゃねえか」


伊之助はさも当然のことのように言った。けれど三人の反応がどこかおかしいことに気付くと伊之助はあたふたと焦りながら訊ねた。


「ま、まさか、お前ら……。お互いの事、す、好きじゃねえのか? き、嫌いなのか?」


Aはそう言って慌てる伊之助をなだめながら言った。


「伊之助、違うよ、違うの。私と炭治郎は確かにお互いのことが好きだけど……」


炭治郎はAの言葉に続けるようにして伊之助に説明をする。


「伊之助。俺とAは恋人にはなれないんだ」


炭治郎とAがお互いのことを嫌いではないと知って、伊之助は少し安心したような様子を見せた。
しかし、炭治郎とAが『恋人ではない』ことに対してはどうやら違和感を抱いたようだった。


「はあー? 意味わかんねえ。好きなのに何でこいびとになれねえんだよ」


善逸はそんな様子を見かねて伊之助の言葉を止めようとした。


「伊之助、もう――」


しかし、Aはそんな善逸の言葉を遮った。


「伊之助、それはね」



















「私達が、兄妹だからなの」


Aは伊之助に向かって微笑みながら言った。その言葉を聞いた炭治郎はどこか寂しそうに笑っていた。

3→←1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さぬやぎ | 作成日時:2020年4月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。