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『ああああの好きになります。好きにならせて下さい。お願いします。』
「いやそんな無理に好きにさせようとは思わないよ」
Aはカップの中に紅茶を注ぎ込む。
紅茶を入れたコップを神威に渡せば、「有難う」と。
『…私、恋なんて……したことないですもん。難しいです』
席に座るとクッキーに手を伸ばし、2、3個頬張った。
「だからってそんな……単純だヨ、恋なんて…あちっ」
紅茶が熱かったのか舌を出している。
それを関係無く、自分が分からない事を神威に聞き進める。
『愛とは何なんですか?そういう感情…抱いた事ありません…』
「さぁね。意識してわかるもんじゃないだろ?
…俺だってなんでAが好きになったかなんて知らないよ」
『っ…意味…分かりません』
ほんのりAの頬が赤く染まり、腕で自分の顔を隠した。
にやっと口角を上げた団長が私の顔を覗き込んで頬をつんつんとしてくる。
そして更に追い打ちをかけるように「まぁ、俺がAに惚れてるっていうのはわかるけどね」とにこにこしながら呟いた。
『〜〜っ狙いましたよね!!』
「あ、美味しいなぁ、これ」
『ご、誤魔化すな!!』
へらへら笑いながらも真剣なのか、眼差しはこちらをずっと見つめていた。
こほんっと咳払いをひとつし、話を元に戻す。
『……それで…私は何をすれば?』
「は?別に何もしなくて良いんだよ」
『…いやだって、じゃないと好きになれませんよ、私…』
面倒臭いなぁ、と溜息を吐き「俺はAと両想いになりたいし色んな事したい」と呟いた。
『い、色んな事……ですか?』
「そ。いろーーんな事。キスだってしたいしそれ以上の事とかね」
『なっ…』
白い歯を見せ、爽やかに笑っているが話は爽やかではない。
『それ以上って言い方止めて下さい!!』
「えー??Aだって俺と付き合いたいんでしょー?いずれ一線超える事になるって」
「へんたい」とジト目で見るも、「はいはいじゃあこの話は終わり」と神威の方から強制終了してしまった。
団長という立場だから、余計ずるいと思う。
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あ - 更新楽しみにしてます! (3月4日 16時) (レス) @page20 id: 53df4b99f2 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 更新頑張って下さい! お願いします! (2019年12月25日 15時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - non様!神威小説もっと作ってください!面白いです!最高です! (2019年12月25日 14時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - でも、凄い面白かったですよ?更新頑張ってください♪ (2018年7月21日 12時) (レス) id: e9b51ed374 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 愛さん» 有難う御座います、結構占ツク始めたての頃に書いたものなので上手く出来てません…(T_T) (2018年7月21日 11時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2017年6月9日 20時