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突然、俺の家へ来たまふ君。「どうしたん?何かあったん?」と聞くがずっと黙って玄関に突っ立って抱き着いて来る。



「まふくーん、何か言わんと分からないんやけど…」


「…。」



それでも黙り続けるのか…俺はどうすれば良いん。時折まふ君が鼻を啜っている音がする。くしゅんっなんて聞こえたからきっと花粉症だろう。

何……あったんやろ。辛いんかな。



「…………好きだよ」


「えっ」



え、俺?何で?嘘やん。

そんな、無理やて男は…いやけどまふ君やし。確かに俺やって好きやけど、恋愛は…流石に…。



「うぅ…るす君…」


「いや、泣かんで…俺やって真剣に考えてみるから…なっ?」



そうすると、まふ君の腕の力は更に強まる。そして好きを連呼し流石に俺でも困る。

「先輩…」と呟くと、ほろほろと零れ落ちてくる大粒の涙。その姿に眉と口角が上がる。「ちょっと移動しよか」と言ってリビングへと向かった。



「んで、どーしたん。ゆっくりでいーから話してみ」



ホットミルクに、まふ君が好きそうなお菓子を大量に机に並べ袋を開けていく。無言で食べ進めるまふ君の姿にまたしても笑みが零れる。



「先輩っ、にね、嫌われちゃうの」


「ん…?」



「僕嫌われちゃうの」とまた目が○んできたところでティッシュを一枚渡す。

理由を聞くと、どうやらまふ君の症状は発情期ではなかったと。だから体だけ使っていたAに嫌われると。



「何て言えばいーかな、好きでいていーかな、どうすれば嫌われないかなっ」



まふ君はまふ君なりに考えてるんやね。けどな、まふ君。俺がもし今Aの立場やったら嬉しいよ?



「…自分の事考えてくれて、頭ん中自分でいっぱいにしてくれて、それだけで幸せやけどな」


「幸せ?何で?僕は先輩の事を治すだけで使ったんだよ?」



あー…違うなこれは。まふ君根本的な事が分かってないわ。

それはもし発情期であってもなかったとしても、Aが望んだ事であって一番辛いんはまふ君やろ。

って事を説明すると、暫く黙っていた。



「そーやろ?Aが望んだやろ?」


「………そーー…だけど…」



まだ納得いかないん?しょーがない。じゃあ奥の手使うしかないな。



「じゃあな、まふ君とAが同じ気持ちやったらどーする?」


「………え?」



同じ気持ち……それはお互い好き合っていたらという事。


だって、嘘やないもん。まふ君が気付いてないだけで、本当の事やから…__


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作者名: x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/  
作成日時:2018年2月2日 22時

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