ハツジョージキ【まふまふ】 (ページ29)

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くるくるとイヤホンを器用に巻いていき、自分のバックの中へと入れて、溜息をついた。

少し眠たいのか目を擦り、「もっと考えろって」と気だるげそうに呟く。

「この問題はAがどうにかするって言ったから黙ってるけど泣かせるような事したら容赦無くあいつ等の中に入ってく。けどだ、それをランデブーだの身体だけの関係だの、可笑しいだろ」

そこにいる四人は全員ゴクンと息を飲み、はなしているそらるから目を離さずいた。

もう一度バックの中を漁り、財布を取り出す。

「まふはまふでAの心掴みたいし、逆にAは彼奴の症状治してやりたいしで必死なんだよ。前も言ったけど、俺等は首突っ込まなくて良い、この問題には関わらない…そうすればハッピーエンドだろ」

ドリンクバー代の小銭を机に置くと、「帰るわ」と言って荷物を持った。だが、そらるは何を思い出したのか、くるりと回れ右をした。

「手ぇ…出すなよ」

一斉にこくりと頷くと、そらるは安心して出口へと向かった。

のだが。

「そらるさん…！」

センラがそらるを引き止めると「もう一回回れ右して下さい！」と呼び掛けた。言われた通りすると、何…とだるそうに呟いた。

「あの…すんません…」

「…。」

少し申し訳なく、「ちょっと格好付けた所悪いんですけど…」と小銭に目を移す。

「…………あと30円足りませんわ」

「……。」

黙って財布の中を漁り、30円を取り出した。

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一方Aの家で、まふまふはアプローチを必死に頑張っていた。先程送られてきた事をやってみようと、「先輩！」といつもよりちょっと可愛く言ってみた。

「えへ」

『…？』

送られてきた通り、萌え袖を中心にアピール。服が伸び、首元が見える事によって更に可愛さと色気が出せるという事か…と勝手な解釈をしながら話しかけた。

「先輩の好みの男性ってー…どんなですか？」

ここは直球に。変化球だと伝わりににくいため、ド直球に聞く。「えっと…」と困りつつもしっかりと答える。

『頼りになる人…かな？あとは浮気とかそういう裏切る行為をしない人…？』

「そーいうのが好きなんですね！じゃあじゃあ僕が先輩の好みに近付いたらどうですか！？」

いつもここまでどつく事がないまふまふに更に戸惑う。「どうと言われても…」とずいずい近付いてくるまふに後退りをした。

『ちょっと…分かんない、かなぁ』

そういうとまふはがーんと表情を崩した。

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