ハツジョージキ【まふまふ】 (ページ18)

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『えと…つまり、私に嫌われた…と？』

小さくコクリと頷き、違うよと答えれば、ぱぁぁっと効果音が付きそうな明るい顔になる。

なるせちゃんが帰ったあと、近くのコンビニへ寄り、その帰りに路上で私の事を呼んで何故か泣き叫んでいたまふ君。私の家で落ち着いて話そうと思い、今の状況だ。

それになるせちゃんに言った事も伝えたかったので良い機会だ。

「あ、あの先輩、僕そらるさんに制限かけられちゃいました」

『…え？』

なんとなんとななんと、まふ君によると会ってはいけないと言われてしまったらしい。それなら、協力なんて出来ないではないか。

一応私の考えを説明するとなるせちゃんと同じ表情になる。

「な、なな何言ってるの！？欲を無くすって…正気！？ソウイウ事するんですよ！？？」

『知ってるよ…けど、その、それでまふ君が楽になるなら…。それにキスだって…したし』

「覚悟は出来てます…」とだんだん小さくなっていく。だって、協力するって言っちゃったしまふ君がこのままでいるのは嫌だ。

「……先輩、僕止められなくなっちゃうかもですよ？」

『良いよ、症状が原因なんだから仕方無いでしょ…？』

「い、いや症状が原因じゃなくてですね…先輩だから…」

「先輩だから？」とオウム返しすると「何でもないです！！」とタコの様な赤みが戻って来る。

泣いても怒っても止められないかもしれないとまふ君が言うと分かってると返した。

ソウイウ事をするのはまふ君の症状が出た時、そしてそらるさんや周りの人には絶対に言わない、という条件で私達はただの上下関係では無くなったのだった。

「…せ、先輩…あの…」

『…え？』

来てしまったのだろうか。私と口付けしている時と同じ顔、同じ荒い息だった。

「抑えますから大丈夫…」と苦しそうな声で呟く。

『…。』

そんな姿をまじまじ見ている私は「協力する」って一言が言えない。

喉までは出かけているのにどうしても勇気がでない。まだ躊躇いがあるのか、私は。

そんなまふ君と目が合うと顔を火照らせながらふにゃっと笑う。

『っ…まふ君…』

可愛い後輩の為に、辛そうで苦しそうな後輩の為に、私は覚悟を決めた。

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