Story of Songs【あんスタ】【短編集】

答え◎青葉つむぎ ページ22

月兎様、リクエストありがとうございます！
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——愛されたかった少女の、救済の物語。




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※成人済み




あぁ、やっぱりアタシって平々凡々、ちょーつまんない。


頑張っても結局平均偏差以内。じゃあ頑張る意味ないじゃん。


そうするうち、気づけばまた日々は過ぎ行く——腐った毎日。




なのに、周りのみんなは本当にすごいのだ。




アタシなんかよりずっと表現欲高くて、才能に恵まれてる……キラキラしてて、まさに『アイドルになるべくしてアイドルになった』ような。



アタシにはそれがたまらなく羨ましい。アタシにもそんな才能があれば、こんな思いしなかったのかな。




どれだけ嘆いても変わらないけど。




「！……ふふっ、今日調子いいじゃん……♪」




騒音の中、ポップな音が目の前から溢れ出す。


画面に躍る《JACKPOT!!》の文字は、なんだかアタシの目には色褪せて虚しく映った。




アタシがこんなことを始めたのも、探せど見つからない“愛”を求めてである。




眩しいのに暗いここは、なんだかアタシにピッタリに思えたから。


こんな無法地帯、廃れたアタシの心が住み着くにはちょうどいいでしょ？



きっと今、澱んだ水槽を覗けばアタシの歪んだ微笑が映るんだろう……なんてね。



こういうのに人生を持ってかれる人もいるくらいだし、満たされるかと思って始めたけど。


やっぱりずっと虚しいまま。




「もういいや、……出よ」




店から出ると、アタシを嘲笑うかのような強い光。


多分、いや高確率で嫌がらせだと思う。なんだこれ。



——ふと、目の前に影が差した。




「あっ、やっと見つけました〜……よかったです、でもこんなとこに出入りしちゃめっ、ですよ？」




「…………つむぎ」




「さぁ、戻りましょ……って、どうしましたか？」




「なんで、つむぎは……いつもアタシを見つけてくれるの、いつもそうやって助けてくれるの」




我ながら馬鹿らしい質問だと思う。


そんなの、めんどくさいとか世間体とか色々あるでしょ。ほら、つむぎも答えにくそうだし……




「それは……君が、Aちゃんが、俺にとってとっても大切な女の子だから……です」




「は、？」




「あ、え、えーと……まぁ、とにかく戻りましょう？」




「！…………うん」




なんだ、アタシって本当に馬鹿じゃん。


温かい手を握り返しながら思った。




“探していた答え(愛)”は、手の中にあったんだから。




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