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……足音が聞こえる。援軍が到着したようだ。


「カーシャルさん!大丈夫ですか!?」

「うん、僕は大丈夫。
でも……多分まだどこかにいる」


最初と同じだ。気配を探せ。
さあ……君は一体どこにいる?


「___またえらく綺麗な絵やな〜
……さて、鬼ごっこの次はかくれんぼってな!


盗んだ絵をと共にクスクスと笑いながら、
絵画を抱えたファイは、窓枠に座っていた。

ファイの瞳は、カーシャル一人を写している。

彼女の夜は、まだ始まったばかりだった。


「いつもだったら帰ってもええんやけど……
もうちょっとあの探偵はんと遊びたいからな。

さーて、ファイちゃんを見つけられるか?
館内は電気が点いてるとはいえ薄暗いで〜」


いつになく楽しそうに探偵を見る。
澄み切った深い夜は、まだ明けない。

落ち着け、目を閉じて考えろ……警察達の
気配に混じって、別のものが紛れ込んでいる。

これを楽しんでいるような、そんな気配が。
そちらを向くと楽しそうに窓辺に腰掛ける少女

___否、『怪盗ファイ』がいた。

ファイの目はシャルを映し、また、
シャルの目も彼女を映している。

……遊ぼう?そう言われている気がした。


「ハハ……良いよ、気が済むまで付き合うよ。

ファイ」


近くにいた警察にそのことを伝え、
もう一度、ファイを追いかける。

これは『遊び』なのだ。


「隠れんぼは、得意なのさ…!」

「……やっぱりこうでなくっちゃ」


高揚感でピリッとするこの感覚……
これが怪盗をやる一番の楽しみなのだ。

まだまだ遊び足りない。

もっとあの探偵と…シャルと遊んでいたい。
それこそ、仲睦まじい……兄妹みたいに。

そう思いながら彼を見据えるファイの目には、
まるで幼い子供のような無邪気さがあった。


「私だって、鬼ごっこはかなーり得意やで?
そういうことやから……まずはシャルが鬼や。

私はそう簡単には捕まらへんで?」


そう宣言したファイは窓から飛び、
薄暗い明かりが灯る館内に降り立った。

もちろん、カーシャルもそれを見逃さない。



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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…!改めてここでお礼を言わせて頂きます!これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…!!これからも是非よろしくお願いいたします!! (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年6月26日 20時

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