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「…………」
これほどまで静かなファイは珍しい。
誰が見てもそう思わせるほどに、
ファイは沈黙の中で息を呑んでいた。
そして、ようやく話しかけられたと気付く。
「……っ！？……あぁ、そうやな！
今度は教会のみんなと一緒に来たい！
ここの屋台もぎょうさん回って、
次は金魚すくいにもっかい挑戦して、
りんご飴も食べて、花火見て……
…………また、来れるんかな…？」
こんな楽しい日々が続くことを願うと同時に、
花火のように一瞬で消えてしまうようで……
どこか寂しくなった。
自分たちの言う“今度”なんて、
ひょっとして無いのかもしれない。
でも、そんな悲しいことは信じない。
……そう言い聞かせるしかなかった。
「……また、来よう。
来れる、来る。
来れないじゃなくて。絶対に……」
もうすぐ花火が終わって、
この夏祭りもお開きになる。
あっという間だった。
美しく咲いて、すぐに消える花火のように。
しかし、その花火はたしかに存在し、
自分たちの心に余韻を残していったのだ。
そして、最後の花火が打ち上がる。
「「……！」」
あまりにも美しいその花火は、
きっと一生忘れられないだろう。
夏が終わる。
あの、暑いような美しいような夏は……
花火のように明るく、瞬きのように早く、
誰の心にも余韻を残しながら消えていった。
来年も、再来年も、花火は打ち上がる。
しかし一度しか見ることはできないのだ。
同じ花火は二度と上がらない。たった一度。
また、来年も見よう。
二人は心にそう決めて、
静かに夏は幕を閉じた。
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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…！改めてここでお礼を言わせて頂きます！これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (
レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…！！これからも是非よろしくお願いいたします！！ (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ：http:
作成日時：2023年6月26日 20時
