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りんご飴を齧ると、甘い匂いが広がる。
飴の甘さとりんごの甘酸っぱさが相まって、
何とも言えぬ至高の味わいとなっていた。
「んー！おいしー！ファイは初めて食べるんだ。
このりんご飴、すっごく美味しいよー！」
りんごをもしゃもしゃ咀嚼しながら、
カーシャルは花火について考える。
夜空に咲く、美しい炎の花。
想像するだけでワクワクする。
「あぁ、私もりんご飴は初めてや！
甘くて、ちょこっと酸っぱくて……
とにかくめっちゃ美味しいで！！」
口の温度で飴が溶けてくると、
リンゴがシャクっと割れる音がする。
小ぶりのリンゴは旬には早く、少し酸っぱい。
しかし、祭りのりんご飴ならではの味と思うと、
それもとびきり美味しく感じられた。
と、話しているうちに指定場所に着いたようだ。
「そろそろかな？」
「多分もうじき来るで！」
ヒューという音が聞こえたと思ったら、
次の瞬間、町には大きな音が鳴り響いた。
「わ…！なに！？」
「花火や！」
音の方を見ると、そこには花が咲いている。
美しく夜空に咲いた花はすぐに消えてしまった。
これが花火というのか。
なんと美しいのだろう。
「わあ……すごい…！」
感嘆の声を漏らすカーシャルの隣で、
ファイもまた花火に釘付けになる。
本当に感動した時の人間は言葉が出なくなる。
そんなことを聞いたことがあるが、
今のファイはまさに“それ”だった。
「綺麗やな……」
「すごい…本当に……」
次、また次、色鮮やかな花火が、
空へ上がっては一瞬で消えてゆく。
美しく、そして儚く消えてしまうそれは、
まさに火の花と呼ぶにふさわしかった。
どれくらい沈黙が続いただろうか。
今は、ただ…ただひたすらに、
この大輪を見つめていたかった。
「……ねえ、今度はさ、みんなで来ようよ。
もっと大人数で。シスターたちも連れてきて。
皆でりんご飴食べながら花火を見よう。
……どう、かな？」
そうは言ったものの……
心のどこかでずっとこの時間が
続けば良いのになと思ってもいた。
この感動を、この美しさを、儚さを、
ずっと留めていたい気持ちがあったのだ。
そんな夏の夜は、まるで花火のようだった。
「本当に、綺麗だなぁ……」
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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…！改めてここでお礼を言わせて頂きます！これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (
レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…！！これからも是非よろしくお願いいたします！！ (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ：http:
作成日時：2023年6月26日 20時
