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「ふふ、綺麗。次はファイの番か。
それじゃあファイ、がんばれー！」
「おっしゃ、気張ってくで〜！」
浴衣の袖を襷で留めると、
ポイを左手に持って意気込む。
やる気は十二分なようだ。
「ココや！」と、まずは一匹。
更に二匹、三匹とボウルには、
鮮やかな金魚が次々に入っていく。
「うーん、次は……コイツ！」
屋台で一番大きな金魚に狙いを定め、
ポイが破れないよう、静かに水に入れる。
一匹の金魚をじっと見つめ、その時を待つ。
先程取った金魚の二倍は大きい、
ヒレも体も真っ黒の、大きな出目金だ。
「おし、もうちょい……」
「す、すごい！これなら…！」
持ち前の器用さで出目金をすくいあげる。
隣でそれを見ていたカーシャルも、
ファイの鮮やかな手際に驚いていた。
「「……あっ！！」」
カーシャルとファイの声が重なる。
後はボウルに入れるだけ……と思ったところで、
ポイは重さに耐えきれず破れてしまった。
「アハハ、最後に焦ってもうた。
次はぜーったいゲットしたる！」
三匹の金魚が入った袋を手に、
ファイはケラケラと笑う。
「でもすごいよ！
ファイ、お疲れ様！
惜しかったね…あとちょっとだった！
それに、次は僕ももっと取るよ！！」
そんな話をしていた時、放送が鳴る。
どうやらそろそろ花火が始まるようだ。
「……！ファイ、花火だよ！行こう！
僕初めて見るんだ！どんな感じなのかなー」
「もうそんな時間か！花火なんて久々やな〜」
花火を最後に見たのはいつだったか。
３年…４年……もっと前かもしれない。
微かに脳裏に浮かぶ、美しい炎の花。
朧げだが、綺麗な物だという記憶は
頭の片隅に確かに焼きついている。
「はい。これ、りんご飴！
実はさっき二つ買ってたんだ〜
一緒に食べながら見よう！」
「ありがとさん、カル兄！
りんご飴……見たことはあったけど、
実際に食べるんは初めてかもしれん！」
噛めばガリッと音を立てて飴が割れる。
甘い飴とリンゴが、口いっぱいに広がった。
そんなファイにニッコリ笑いかけると、
彼は空いている方の手を引いて歩き出す。
「えっと……どこら辺だろう？」
「うーん、あっちとちゃう？」
「ふふ、今からの花火、楽しみだねー！
僕、本でしか見たことなかったから。
考えてるだけでワクワクする！」
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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…！改めてここでお礼を言わせて頂きます！これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (
レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…！！これからも是非よろしくお願いいたします！！ (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ：http:
作成日時：2023年6月26日 20時
