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すると、カーシャルは屋台の一つを指差す。
「あっ、見えたよたこ焼き屋さん!行こー!
それと近くにリンゴ飴……キャラメルもある!」
「タコヤキ屋!?おっちゃーん!
このタコヤキ一つもらってええー?」
どちらも好物の誘惑には勝てないようで、
ファイは小銭を払ってたこ焼きを買う。
これが『花より団子』というやつだ。
買ったたこ焼きをすぐさま口に運ぶと、
ファイは「ん〜!」と感嘆の声を漏らした。
「ふふ、ファイったら、
すっごく美味しそうに食べるねー」
「だってホンマに美味しいからな〜。」
「……あ、おじさん!
りんごのキャラメル煮ひとつください!」
お金を払ってそれを受け取ると、
カーシャルはゆっくり口へと運ぶ。
初めて食べるが、きっと美味しいはずだ。
「……わぁ!美味しい!
ありがとうおじさん!
ねえ、次はどこ行く?ファイ!」
「カル兄だってえらく美味しそうに食べとるで〜」
「ふふ、だって美味しいもん!」
美味しそうに食べていると言われ、
カーシャルは少し恥ずかしそうに微笑む。
ファイも彼に笑いかけて周りの屋台を見回すと、
ふと金魚すくいと書かれた文字が目に入る。
「えーっと、他の屋台は……」
食べているたこ焼きは、
そろそろ半分を切るところだ。
「金魚すくいがあるで!
カル兄も一緒にやらへん?」
屋台を指差してカーシャルに問いかける。
彼女はたこ焼きの残りを口に入れて、
金魚すくいの屋台へ歩を進めた。
「ん!良いね!よし、行こう!」
カーシャルも金魚すくいの方へ駆け寄る。
中では赤や黒の金魚たちが悠々と泳いでいた。
「よーし!ぜったい取るぞー!」
お店の人からボウルとポイをもらい、
金魚たちを見つめて狙いを定める。
「今だ!」
ポイは金魚をしっかり捉えた。
パシャッと心地の良い音を立てて、
赤い金魚は持っていたボウルに収まる。
まずは一匹すくうことができた。
「よし、二匹目!」
今度も取った……ように見えたが、
勢いをつけすぎてポイに穴が空いてしまう。
金魚は水槽に落ちてしまった。
「あぁ…そんなぁー……
まあ、一匹取れたし…良いや」
一匹の金魚を袋に入れてもらい受け取る。
袋の透明な水が提灯の光に反射して、
中を泳ぐ金魚と共に、キラキラ輝いていた。
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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…!改めてここでお礼を言わせて頂きます!これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…!!これからも是非よろしくお願いいたします!! (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年6月26日 20時