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……あまりにも自然だ。
友達に話しかけるような。あまりに流暢な。
この状況でも、そんな喋り方をするのか。

そんなことを考えながら少し身構える


「凄いね……

どれくらい場数を踏んできたんだい?

……あぁ、君が自己紹介するなら、
僕もしないとだね。僕はカーシャル。

探偵って呼ばれてる、君の天敵さ。
気軽にシャルとでも呼んでよ!」


相手の様子を伺いながら話しかける。
そして、彼女が油断したら……


「……で、君はここの美術品を、
盗みに来たんだろう?……ファイ」

「場数?いや〜ファイちゃんまだ若いで〜?
でも今まで踏んできた場数は数えとらんな〜」


話しかけられるとうーんと顎に手を当てて、
やってきた怪盗としての場数を思い出す。

ただ、こんな会話でも、彼女にとって、
楽しいことであるのに変わりはなかった。

これも彼女なりの流儀なのだから。


「シャル言うんか、よろしゅ〜な。
……そうそう当たり!盗みに来た!

知っての通り、私は怪盗のファイや。

だから、その綺麗でカッコええ美術品は、
ファイちゃんが華麗に盗ませてもらうで〜」


そう告げてオブジェに座り直すと、
彼女の美術品を見る目はギラリと光る。

新しいおもちゃを見つけた子供のようだ。


「ハハ、若いのに凄いね〜
じゃあ僕も負けれられないや。

だから……君の思い通りにはさせない」


警察に援軍を要請している。

時間を稼ぐ為にも、新たな情報の為にも、
会話の中で少しずつ情報を引き出していこう。


「……随分楽しそうじゃないか。
なんでだい?気がしれないね……」


しかし、かくいうシャルも、
この場が楽しくて仕方がない。

自分でも理解できないくらいのワクワク感、
声を発する度に息が詰まる高揚感がある。

怪盗が目の前にいて、自分は探偵だ。
あぁ、なんと心踊る場面なのだろうか!



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□→←■episode6:輝く瞳に映る物



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もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます!イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…!改めてここでお礼を言わせて頂きます!これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…!!これからも是非よろしくお願いいたします!! (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年6月26日 20時

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