【派生作品】思いと偽りの物語

■episode７：Castella＊Tea Time ページ12

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ここは、とある教会……の子供部屋。

勉強を済ませ、昼食を食べ終えたので、
現在は子供たち全員が自由な時間だ。

教会の外へ遊びに行く者、本を読む者、
昼寝をする者など、過ごし方は多種多様。


「おし、これで何羽目かな〜」


そんな中、今日は珍しく外で遊ばず、
机の前でファイは折り紙を折っていた。

テーブルの上におかれる折り鶴が、
一羽、二羽、三羽と増えていく。

千羽鶴でも作るつもりなのだろうか。


「ファイ〜」


そこへ、そっと子供部屋の扉を開けて、
何やら1冊の本を抱えたソラが入ってきた。


「ねぇファイ、暇〜？」


柔らかく笑い、首を傾げてソラは問う。
ファイは扉の方へ体を向けてソラに言う。


「おぉソラ姉！どうしたん？」


何の用かをファイに聞かれたソラは、
オレンジの髪を揺らして言葉を続ける。


「あのね、この本見て〜……」


差し出された本に書かれていたのは、
料理本……いわゆるお菓子のレシピだ。


「ファイとね〜、お菓子作りたくって」


先程他の子らも誘ってみたのだが、
遊びに行ってしまったのだと説明する。

何となく得意そうだな〜、ということで、
ちょうど一人だったファイを選んだらしい。

ファイは、差し出された料理本を、
珍しそうにまじまじと見つめていた。


「お菓子……美味しそう…！ええで！
私もソラ姉とお菓子作ってみたいしな！」


お菓子という言葉に釣られたのか、
ファイは快くお菓子作りを承諾する。


「ところで……どんなお菓子作るん？」

「うーんとね〜……」



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