■episode6：輝く瞳に映る物 ページ2
.
ここは、とある博物館の一角。
誰もが寝静まっているはずの真夜中。
しかし、警察と一人の探偵は、
なにやら物々しい雰囲気だった。
それもそのはず。
あの有名な『怪盗ファイ』が、
予告状を出したというのだから。
薄暗い館内、探偵は一人座っている。
「さて、そろそろ来るだろう？
『怪盗ファイ』」
＿＿＿＿＿
「さーてと……予告状も出したことやし、
予告した時間になるし、そろそろ行こかな〜」
博物館の向かいにある民家。
屋根に座るのは、怪盗のファイ。
彼女はイタズラっぽい目で博物館を眺める。
前日に警察に予告状を送っていた為、
当然、博物館は警備中の警官だらけだ。
「……おし、行ったるか！」
そう意気込むと、博物館の壁に飛び移った。
事前に鍵を開けた窓から侵入し、中を見渡す。
「しっかしえらい広い場所やな……っと、
んなことより、予告したお宝を頂かな！」
慣れた様な手つきで窓から壁をつたり、
見つからないように屋根裏から下を伺う。
小柄だからか、小さな隙間にも侵入できる。
ファイがそうこうしている間にも、
予告した時間は刻一刻と近づいて来る。
探偵と待機していた警察も、
段々落ち着きがなくなっている。
予定時刻はもう直ぐだ。
……ふと、どこからか視線を感じた。
「……っ！？誰だ！」
大人しく座っていた探偵に不意に叫ばれ、
ファイは驚いてビクッと身をすくめる。
まさか視線のみでバレるとは思わなかったが、
見つかることは元より問題は無いし想定内。
慌てることなく屋根裏から出て、
展示されているオブジェの上に立つ。
ここからなら館内全てが見渡せる。
「いや〜、思うたよりすぐにバレてまったな。
隠れとったつもりなのに、さすが探偵はん！
怪盗ファイちゃんのおでましやで〜」
既に見つかっているのに、
ファイは流暢に自己紹介をする。
友達に話しかけるような、自然な動きで。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もみじまんじゅう☆せつね(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！イラストも本当にかわいくて感謝しかないです…！改めてここでお礼を言わせて頂きます！これからも見てもらえると幸いです。 (7月9日 21時) (
レス) id: 89e2ed1630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - わわわ…めちゃくちゃ平和で可愛い…。こんなに暖かくまとめて書いて下さってありがとうございます…！！これからも是非よろしくお願いいたします！！ (7月9日 20時) (レス) @page20 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もみじまんじゅう☆せつね | 作者ホームページ：http:
作成日時：2023年6月26日 20時
