ニンゲンが地下世界に“召喚”されました…！？ <３>【UNDERTALE 長編夢小説】

第115話 あと、少し ページ34

パピルスside


蔦が体中に巻き付くと同時に、地面が遠くなる。ボクを見上げるお花さんは、不機嫌そうに顔を歪めていた。



「“一人にしない”？ 笑わせないでよ。……キミたちが、一体ボクの何を知ってるっていうのさ？」

「お花、さん……」

「まさか、ボクが寂しがってるとでも言いたいワケ？ キミじゃあるまいし、変な思い込みはやめてくれない？ すごくウザいから」



唇を噛み締めてそう話す彼の表情は、言葉とは裏腹にとても苦しそうだ。まるで何かに耐えているかのように揺れるその瞳は、あの日、ウォーターフェルで見たそれと同じだった。

とても、とても寂しそうなその瞳を見る度に、ボクの胸が締め付けられる。



「……オレさまには、とてもそうは見えないぞ」

「は……？」



どれだけ言葉を重ねても、それだけではきっと彼を救うことはできない。しかしそれでも、ボクはせめて少しでも彼に寄り添いたい。



「今のお花さんは、とても寂しそうだ……。きっと、お花さんは今まで辛い思いをしてきたのだな……。オレさまは、その全部をわかってあげることはできないけど……それでも、傍にいて、話を聞くことはできるぞッ！」

「ッ……なに、ワケわからないことを言ってるのさ！ ああ、もう……いいからキミは、黙ってボクの言うことを聞けばいいんだよ！」

「ッ……」



蔦の締め付けが強まり、まともに動けなくなる。全身に襲いかかる痛みに思わず顔をしかめた、その時だった。



「子猫ちゃん！！」

「ッ……！」



上空から駆けつけたメタトンが、お花さんにめがけて爆弾を落とした。お花さんが気を取られている間に、彼はボクを蔦から素早く開放し、優しく地面に降ろしてくれたのだった。



「ふう……やっと追いついたよ！ ケガは無いかい、子猫ちゃん？」

「メタトン……ありがとう、オレさまなら平気だ！ でも、お花さんは……」



どこを探しても、既に彼の姿はなかった。



「っと、逃げられちゃったね……。ああ、さっきの爆弾のことなら心配しないで！ あれは威嚇射撃さ。本当に当ててはいないよ！」

「……そう、なのだな」



行ってしまった彼を思い俯くボクに、メタトンは明るく声を掛けてくれた。



「子猫ちゃん……元気を出して！ 大丈夫、子猫ちゃんの想いはきっと伝わっているよ！ さ、早く追いかけてAたちとも合流しよう！」

「……ああ、わかったぞッ！」



待っててね、お花さん。


オレさまたちが、必ず助けるぞ――！

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