お爺と親父 ページ26
「あぁぁ、どっと疲れた。もう絶対行かないあんな所」
「あらら。俺ァ部屋を間違えたか？こんな美女が出迎えてくれるなんてねェ」
「おかえりなさーい。お邪魔してまーすタスケテクダサイ」
マリージョアから帰還したAは、クザンの部屋にいた
帰りの船でミホークとの一件の説教をしまくるつるから逃げて避難してきていたのだ
「なに、まァたなんかやらかしちゃったの？懲りないねェ」
「やらかしたというか、不可抗力だと思うんだけど」
「"上"で何があったのよ？」
「…言わない。多分クザンさんも怒るもん」
こんなにユルい上司だが、さすがに七武海の男と仲良しこよしの話なんてすれば怒るに決まっている
接触の報告すらしていなかったのだから
Aはまだ持っていた猫の被り物を被り、ふて寝し黙り込んだ
「ハァ…困ったお姫さんだよ、まったくお前さんは」
カタッ、と前に置かれたマグカップはA専用のカップで、中には甘いココアが香りだっている。三大将の1人、青雉じきじきに出されるなんてどこの王国の姫でもありえないだろう
「スモーカーもいっつも心配してんのよ。話すたびに、Aはどうだって聞いて来るんだから」
「…そ、そうなの？」
「そうよ。どんだけ仲良いのよ、お前ら。もしかしてデキちゃってんの？？あー、なんてな」
「ブフッ…！」
青雉は冗談なのか本気なのか分からない表情でコーヒーを飲みながら話すが、完全に恋愛初心者のAは盛大にココアを吹き出した
「あららら。冗談だったんだけど、もしかして図星…
「ゲホッ…ちっちがうちがう！！別に、そんなんじゃっ！いやっそりゃ好きだけど？！って、違うくて！！えっと…
「「誰が好きじゃって？！」」
「はっ？！」
パニック状態のAに被るように現れたのは、サカズキと
ガープだった。2人してたまたま聞こえたらしく、クザンの部屋に流れ込んできたのだ
「A！わしゃ許さんぞ！？どこぞの馬の骨ともわからん男に！…誰じゃ！？」
「Aッ！お前にはまだまだ早いけェ！ワシらがその男見定めちゃるわァ！連れてこんさいっ！！」
「ちょっ、何を言ってるの…」
頑固親父と頑固ジジイのように、普段は合わない2人が結束してしまい、じゃァじゃァとうるさくなった室内
何事だと、近くの海兵たちも覗き込んでくる始末で。
Aは遠い目をして、そっと部屋を抜け出した
もちろんクザンも頭をかきながら逃げていった
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
