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『私…
ずっと一緒にいたのに、手を引いてもらうのが当たり前でレオナを見てなかった
側にいたのにレオナがどんな気持ちでいたのか気付かなかった』
『ごめんなさい』と嗚咽と共に何度も謝ると、ため息と共にもう片方の大きな手が背中に回された
「…お前、久々に泣いたと思ったらそんな事で泣いてんじゃねぇ」
『そんな事って…』
涙で霞む視界のままレオナを見上げると、すぐに後頭部に回された手によってレオナの胸に押し付けられる
「言っておくが
俺は後悔も反省もしてねぇからな
人生は不公平だ
それを覆すことなんざ出来ねぇとしても
黙ってそれに食われるなんて草食動物のすることだ
俺は俺の牙で、爪で
自分の狙った獲物を食う」
頭上から聞こえる力強い声
レオナの腕の中にいてもはっきりと聞こえた声に、燃え盛る炎を宿した瞳のレオナの顔がしっかりと見えた気がした
「…なに笑ってやがる」
必至で堪えてたものの、肩の震えに気づいたレオナは不満気な顔で私を引き離す
『ううん、レオナらしいなって』
「泣いたり、笑ったり 忙しいやつ…
お前、俺を叱りに来たんじゃないのか?」
『うん、だから_』
そう言いながら私は手を伸ばすと、赤みの引いたレオナのおでこに手を当てた
『沢山の人に迷惑をかけたレオナへの罰と
レオナと一緒にいたのに
何もわかってなかった私への罰ってことで
「…お前、前世はイノシシだろ」
ため息をつきながらそう言うレオナを見つめると、横目でこちらを伺うレオナの瞳と目があった
「ひでぇ顔だ」
『二回も言わなくて良いでしょ』
そう言うと私達は同時に吹き出し、
肩を震わせながら静かに笑いあった
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蒼空 - るりさん» るりさん♪はいっ!とても感動しながら拝見させてもらってます!るりさんの小説は本当に読みやすくて とても感情移入しながら読んでます!るりさんもお体に気をつけて下さい、これからも心を込めて応援させてもらいます。 (2020年6月4日 0時) (レス) id: defa0966a7 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 蒼空さん» わたしの作品も読んでくださっているんですか?!すごく嬉しいです…!ありがとうございます。蒼空さんのこちらの作品もわたしの心の栄養です。無理のない範囲で、お体に気をつけながら執筆していただけたら幸いです。改めてありがとうございます!! (2020年6月3日 0時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - るりさん» るりさん、はじめまして。とても嬉しいコメントに何度も読み返させてもらいました(笑)好きな小説の作者様に読んでもらえて、そして誉めていただき とても感動してます!これからも頑張ります! (2020年6月1日 2時) (レス) id: defa0966a7 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 蒼空さんはじめまして。シリーズ一作目から思わず一気読みしてしまいました…登場人物の心情の描写がとても綺麗で素敵です!天真爛漫な夢主ちゃんもとても可愛いです^ ^これからレオナさんとの関係がどう発展するのか気になります…更新頑張ってください! (2020年5月31日 22時) (レス) id: c451112bd1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - 千広さん» 素敵な応援コメントありがとうございます!楽しんでいただけるよう、引き続き好きでいてもらえるように頑張りますね!千広さんもどうか体調にお気をつけください♪ (2020年5月31日 2時) (レス) id: defa0966a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2020年5月24日 3時