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どういった心境の変化だ?と考えている私をよそに、降谷さんは……安室さんかこれ?まぁいい。降谷さんは新たなグラスを私の前に差し出した。ポカンとする私。それと対称的に真剣な眼差しの降谷さん。ドリンクを作っているところをバッチリ見ているので、何も混入されていないことは分かる。見つめ合うこと数十秒。

「……すまなかった。」

テーブルの、私の前に置いたグラスから手を離さずに彼は言った。その瞳は揺れていて、顔はしかめっ面で。チラリ、と視線でコナン君に対しヘルプを求める。一瞬目が合ったが、含みのある顔で目を逸らされた。対人スキル(コミュ力)が皆無の(二人目)にどうしろと?

「な、何についての謝罪だ?言っておくが私は君にとった態度について……「違う。」え?」

「……態度について謝罪すべきは、俺だ。……君は、俺が守るべき、(警察)が守るべき一般人という認識を、分かっていたつもりだった。……だが、あまりにも君は知りすぎていた。それは、一般人の……庇護するべき一般人が、知っているはずもないものばかりだった。

俺は、君が特殊な環境に置かれていたことは理解していたつもりだ。だが、調べても何も無い。その特殊な状況は、警察が関与するような特殊ではなかった。調べたのはもちろん君が部屋で告げたあの日だ。異世界、だなんて馬鹿馬鹿しいと思った。だが、経歴は疑いようもない白。どこか矛盾しているそれを、俺は受け入れることが出来なかった。

それ故に、あのような態度を……すまなかった。言い訳だろうが、俺も、それなりの立場(公安としての立場)があっ「皆まで言うな。」……。」

「立場があるのは皆同じだ。それに私は最初に言ったろう。君らはリアリストだろうから信じられないだろうが、と。泣いたのは、悲しかったのは静香だ。(二人目)じゃない。

……ドリンクを入れ直したのは君なりの誠意だろう?謝罪は何度も言わずとも一度で充分だ。私こそすまなかったね。静香も(二人目)も慣れぬ世界で精神が参っていたようだ。気がたっていたのも確かだ。それに、君は確かにあの日(部屋で話した日)謝罪しただろう。あの相手は静香だ。彼女は謝罪を受けただろう。なら、それでいい。これでこの話は終わりだ。」

フン、と鼻息を立て言った。降谷さんは目を見開いて、そしてその場にしゃがみこんだ。

その様子は怒られると思った子供が、安堵した様子に似ていて。コナン君と顔を見合わせて笑った。


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HILL(プロフ) - 麗妃さん» ありがとうございます。励みになります。大した伏線や設定ではないですが嬉しいです。そしてお返事遅れて申し訳ないです。 (2018年7月16日 22時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - とても面白いです!!登場人物たちの心情の描写や、主人公の心情から人格との関係など、設定が綿密に構成されていて、素晴らしいの言葉しか出ません!このあとの展開や伏線が気になって仕方がありません!!これからも楽しみです。頑張って下さい、応援しています! (2018年7月1日 12時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
HILL(プロフ) - 明里香さん» 報告ありがとうございます。方言が出てしまったようです……。修正しました。助かります。 (2018年6月23日 23時) (レス) id: 59406b58fa (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「よし掛かって」ではなく、「より掛かって」です。 (2018年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HILL | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年5月18日 20時

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