寝ろ、観音坂

8話 ページ9

Aside

「ごちそうさまでした」
「おう、おそまつさま」



よし、今日もキレイに食べきったな

あれ以来、ほぼ毎日観音坂の弁当も作って一緒に食べている
本人も食事は意識してしっかりとってるみたいだし、食生活に関しては大分改善出来ただろ

まだまだ不健康なところも多いが、まあ一時期よりずっとましだ



「あの、今日もありがとうございました、うまかったです」
「おう、そうか」


毎度のことだが、こうやって改めて言われるとさらに嬉しいもんだな

ったく、なんでこんなに良い奴が辛い目にあうような会社があるんだか……
私がしっかり見ててやらねえと……





「あ、あの、先輩……？なんで撫でるんですか……？」









「悪い、つい」
無意識のうちに観音坂の頭を撫でていた




いかんいかん、頭撫でられて嬉しい成人男性なんていないだろ
気をつけねえと

こいつ、気を抜いたらつい甘やかしそうになっちまうんだよな
甘やかすのと面倒見るのは違うし、そこんとこはっきりさせねえと






「あ、そうだ、お前、明日は私と一緒に外回りだからな
久しぶりだろ、営業部らしい仕事」
「あ、確かに、そうですね……
え、て言うか明日ですか？急すぎませんか…？」
「ああ、私も思ったが、なんでもお前がいると契約が取りやすいんじゃねえかってな
一緒に行くのは、まあ、私の成績があれだからだろ」


自分で言うのもなんだが、私は営業部での成績はトップだからな









……こいつ、営業の仕方忘れてねえだろうな？

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