寝ろ、観音坂

18話 ページ20

独歩side



つらい



この気持ちは忘れようと思ったのに、忘れられそうになくて、つらい



先輩に会うたびに、この気持ちは大きくなっていく



だからって先輩に会わないのも、それはそれでつらい







「おい大丈夫か？観音坂
最近よくボーッとしてんな？」
「あ、だ、大丈夫です、すみません、ご心配おかけして……」
「何もないならいいが……ムリはすんなよ？
どうしてもムリだと思ったら、ここにかけてこい」
「え、これ、って……」
「私の電話番号だ
そう言えば教えてなかったな、と思ってな
いつでも遠慮なくかけてきていいからな」




ああもう、そうやって期待させるようなことしないでくださいよ

だから諦めないとって思っても、諦めきれないんですよ




「ありがとう、ございます……」




まあ、諦めないとって思ってるのに登録する俺も俺だ


電話帳の1番上
今まではずっと一二三の名前があったそこに、先輩の名前がある


頬が緩みそうになる


ダメだ、先輩にそんな気持ちはみじんも無い
先輩はただ、要領の悪い後輩の面倒を見ているだけ





期待なんかするな






忘れろ







これは、俺が抱いていい感情じゃない








「先輩は、なんで、こんな俺のことなんか気にかけてくれるんですか」
「決まってんだろ？







大事な後輩だからだ」









ほら、





先輩にとって、俺はただの後輩









「……ありがとう、ございます」









諦めろ


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いつの間にかお気に入り登録が3桁超えたぁ……？


ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます…………

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