寝ろ、観音坂

13話 ページ15

Aside

「今宵の子猫ちゃんたちから、シャンパンコール入りましたぁーーーーー！！！！」
「「「いえーーーーーい！！！！」」」









……………なぜ、私はホストクラブにいるんだ……

私はこういう、煌びやかで騒がしいところは苦手なんだが……






『Aちゃん、貴女気が強くてハキハキしてて、いい子ね
気に入ったわ、私のお気に入りの店へ連れて行ってあげる！！』







ああ、そうだ……
なぜか取引先の方に気に入られて連れて来られたんだった……

と言うか、この人大分酔ってんな
テーブルの上の空き瓶の量がえらいことになってんぞ


「Aちゃん、私がぜ〜んぶ払ってあげるからぁ〜、沢山飲みなさぁ〜い♪」
「あ、ありがとうございます……」


全部って……
この人、ただでさえ値段がえぐいのばっか頼んでんだが……
この人の財布は4次元ポケットかなんかか……？





「やあ、こんばんは、楽しんでくれてる？」

う、私の苦手なタイプだ……
チャラい奴……

「あら〜一二三く〜ん、今日もイケメンね〜」
「ありがとう、子猫ちゃん」ﾆｺｯ









ひ、一二三………？

「一二三、って……麻天狼の？」
「あ、麻天狼と僕のこと知ってるの？嬉しいなあ」ﾆｺｯ
「え、ええ、まあ……」



個人の名前を知ったのはほんの少し前だけどな……


「子猫ちゃんはAちゃんって言うんだね
とても美人さんだけど、モデルさんかなにか？」
「初対面だとよく言われますけど、違いますよ」
「あははっ、よく言われるんだ！！」




なんかすごいウケた
ていうか初対面で私のこと怖がらないの珍しいというか、なんというか……
ホストってすごい




「Aちゃんはなんの仕事をしてるの？」
「医療系機材の営業をやってます……」
「へえ、そうなんだ！！僕の幼なじみもそうなんだよ」




まじか、じゃあどこかでその幼なじみの方と会ってたのかもな……




「僕、そいつと同居してるんだけど
前は日付が変わってから帰ってくるのが普通だったけど、最近はいい先輩が面倒見てくれてるみたいでさ
弁当まで作ってくれてるみたいなんだよね、その先輩」









ん……………………？

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