22話 ページ23
今日はバイトの日。
桃ちゃんと顔を合わせるのがきまづい。
『こんにちは、ってあれ、』
既にシフトが入っているはずの桃ちゃんは今日はいない。
店長によると、体調不良で休みだそうだ。
本音を言うと少し安心した。
今桃ちゃんに会っても、嫌な感情しか沸かない。
うらたさんが好きだったのではないのか。
志麻さんをずっと好きでいた私を裏で笑っていたのか。
ああ、ダメだ。せっかく坂田が慰めてくれたのに。
そういや、今日は坂田来ないのかな。
そこまで考えたところで、店の扉が開く。
『いらっしゃいませ……っ！』
なんで、ここに。
志「やっほ、A。来ちゃった。」
『な、』
何が、やっほ、だ。
何がAだ。
リスナーを裏切ってるくせに。
全く、普段は推しと仲良くなることを望んでいるのに、こんな時だけ裏切りなんていう自分が嫌になる。
ちゃんと接客できていただろうか。
笑顔は作れていただろうか。
コーラとチーズケーキを持って、志麻さんの席へ向かう。
『お待たせしました。チーズケーキとコーラです。』
伝票を置いて、そそくさと去ろうとする。
でも、それは志麻さんの言葉によって遮られた。
志「待って、聞いてほしいことがあるんよ。
周りにお客さんもおらんし、今いいよね？」
一体何の話だ。
聞きたくない、嫌だ。
志「昨日、駅前おったよな？
あのさ、A多分勘違いしてる。」
『かんち、がい。』
志「俺の本名、月崎志麻って言うねん。
桃とは血の繋がった兄妹。付き合ってるとか、そういうことではないんよ。」
『え、』
兄妹、いもうと、付き合ってるわけでもない。
でも、それより
『本名…』
志「ふふ、Aなら広めたりもせんやろ？」
本当に、惚れた弱みだと思う。
昨日はあんなに辛かったのに。悲しかったのに。
きっと、怒っていいはずなのに。
志「ここ、ええ店やなぁ。坂田が通う気持ちもわかるわ。」
坂田…坂田、
『そうだ！坂田ももしかして知ってたの？』
独り言のように呟いた私の言葉に、志麻さんが少し顔を顰めてから答える。
志「知ってたよ。だって、会わせたことあるし。なんなら昨日その事について電話も入れたで」
なんで教えてくれなかった…？
いや、そんな軽々しく言えることでもないか。
坂田に限って、そんな私を騙したりなんてことはないか。
『ま、坂田だもんね。
きっと何か考えがあったんでしょ。』
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2023年3月19日 14時) (
レス) @page34 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ねこな(プロフ) - この作品好きです！今更読みました.....更新頑張ってください！！ (2019年5月15日 21時) (レス) id: 71d7653375 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぽん - 面白いです！続き楽しみにしてます！ (2019年4月9日 23時) (レス) id: d2790d7b68 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 主人公チートかよwwさかたんかわゆ…え…ちょっと主人公そこ変われ (2019年4月7日 14時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
志音@リス,ラ, - さかたんが…可愛いけど怖ぇwまーしぃ！負けないで頑張って!!更新待ってます！ (2019年4月7日 10時) (レス) id: 0f8bb6f46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るか | 作成日時：2019年3月29日 19時
