19. ページ19
涼介.
涼「……A、ちゃん？」
そっと顔を覗き込んだ俺と目を合わせることはなく、ただ顔を覆っていた両手を離すと「だから大丈夫って言ったのに」なんて、か細い声で呟く。
Aちゃんの顔は、見たこともないくらい真っ赤になっていた。ただそれよりも真っ赤になっている額は、やっぱり腫れているみたいで。
『……ダサすぎるでしょ、動揺して壁に頭ぶつけて。私らしくないよね』
涼「……それは、」
『涼介は何も悪くないんだから、とにかく冷静にいようと思ったんだ。上手くいかないもんだね……』
額を隠すようにして、軽く手で覆う仕草を見せるAちゃん。ふと俺を見やると頬を緩ませ、「やばい、痛い」と柔らかく笑った。
涼「あ……何か冷やすもの！もらってくるから！Aちゃんは座って、」
『うん、ありがとう。でも、』
「さっき言いかけたこと、先に聞きたい」と、今度は目を逸らすことなく言い切るAちゃん。覚悟を決めたら強すぎるというか、とにかく芯が真っ直ぐな人だから……
俺なんて内心ドキドキなのに、冷や汗だらだらなのに。なんてことない顔をするのだからずるい。
涼「……この前のは、全然嘘でも何でもなくて」
『うん、』
涼「俺は真剣に伝えたつもりだから……応えてほしいとかじゃないけど、それだけは覚えててくれないかな」
このまま距離ができてしまって、なかったことにされるのはとても辛いから。それくらいならしっかり振ってくれた方が、今後のグループ活動にも影響は出ないだろうし。
一世一代の告白なのに、こんなときも仕事のことなんて……生粋のアイドルだなあ、なんて。我ながら少し悲しいけど。
『……うん、ありがとう。素直に嬉しいよ』
涼「そ……か、良かった。気持ち悪がられてたらどうしようかと、」
『気持ち悪いわけないじゃん！！』
涼「わっ、」
ここ最近で一番の大声。……裕翔や知念の言う通りだったけど、俺のことを大切に、たくさん悩んで考えてくれてるんだなあ、なんて。
それだけのことが、こんなにも嬉しい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流星(プロフ) - showtimeさん» はじめまして！コメントありがとうございます（＾_＾）どちらも読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです…！私自身少し見切り発車で書き始めてしまったので、お気遣い本当に有り難いです（ ; ; ）（笑）今後ともよろしくお願いいたします！ (2021年8月17日 0時) (
レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
showtime(プロフ) - はじめまして！昨日から紅一点を読ませていただいてこちらも気になり読ませていただきました！メンバーそれぞれの雰囲気といい話の展開もとても読んでいて楽しくて最高です！！^ ^並行で大変かと思いますがどうか気負いされませんよう、、願っております！笑 (2021年8月16日 16時) (レス) id: cbd3c1c59a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
