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貴方.
怖くなかったと言えば嘘になる。
落下した瞬間、怪我はしなかったとは言え……目の前がチカチカと点滅するような感覚に陥った。ステージに横たわっていた私に、スタッフさんが慌てて駆け寄ってきて……安否確認をされて、メンバーもやってきて。
何回も何回も謝られたけど、誰が悪いとかそんなことは思ってもいない。ただ……怖くてたまらなかった。幼い頃から当たり前のように飛んでいたけど、もう二度と体が受け付けてくれないように思ったから。
フライングができないジャニーズなんて……そんなのもう、
大「大丈夫、大丈夫だから……」
『うん……ごめ、ん……』
大「大分落ち着いてきたじゃん！……ほら、ゆっくり吸って？吐き切らないと吸えないからな、ゆっくりだぞ」
『……はぁ……』
大「上手上手！」
「偉いぞ〜」なんて、私の頭を撫でる大貴。誰にも見つからないトイレを選んで逃げ込んだのに、簡単に見つけられちゃったな……躊躇せずにドアを開けるものだから、ちょっとびっくりした。
私が困っているときや泣いているとき、すぐに駆けつけてくれるのは大貴なんだなあ……改めてそう思った。
大「……Aはそんなことないと思うけど、皆に話しにくいこととかあったらさ、俺に話してよ」
『……うん、』
大「同い年だし、同期だろ？くだらない話でもいいから……もっと頼ってよ、俺のこと」
『十分頼ってるよ……』
「もっと！」と笑う大貴は、抱き締める力をぎゅうっと強くした。ふわふわと香るおひさまみたいな匂いがあったかくて、優しくて……止まったはずの涙が、つうっと頬を伝う。
『……ありがとう、大貴』
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