151. 侮るなかれ、最年少 ページ1
貴方.
『けんと〜、重たいんやけど』
長「あかん、今日のAちゃんは俺のやもん」
『ハグくらいいつでもしたるやん』
長「今日することに意味があるんです！」
ぎゅうっと後ろから抱きついてくる謙杜は、今日で20歳を迎える。
これでメンバー全員が成人を迎えたことになり、グループが大人へと近付いて……直接関係あるかは分からないけれど、全体としてパフォーマンスやその他諸々に深みが出ることは間違いない。
とは言え、今はひとまず最年少の成長に想いを馳せたって良いだろう。
出会ったばかりのときは、謙杜もまだまだ人見知りで、猫を被っていたと思う。
それこそ初めは中々心を開いてくれなくて、みっちーや恭平より苦労したけれど……気を許してくれるようになってからは、とにかく可愛くて。
愛情表現が分かりやすいタイプやから、スキンシップだらけで困ったり、たまに癒されたり。
私より背が低かった頃は、抱きつかれても楽だったんだけど……今となっては体格もしっかりしてきて、男の子にしては小柄だけれど、私からすると別で。
今もベッドの縁に腰をかけた状態で抱き締められてるんだけど、正直重たい。
『あかん、謙杜、倒れる』
長「一緒にごろごろしよ？」
『うわ、あざとっ！』
長「流されてくれてもええやんかあ〜、俺の誕生日やで？」
『まあそれはそやけど』
みっちーのような、狙っていない可愛さというよりかは、この子のそれは確実に確信犯で。まあ、それすらも可愛いんやけどな。謙杜の掌で転がされる大人は大変よ。
今日やって、ホテルの部屋割りを決めるときに「Aちゃんとが良い！」なんて勢いよく手を挙げて……誕生日やから譲ったるわ、なんて皆が甘やかした結果だった。
まあ、私はええけど。今日くらいは何かしてあげたかったし。
ことの経緯を思い出していると、また一段と強い力で抱き締められる。
不意打ちに応えられるほど鍛えてないし、気も抜けてた。ぐらりと傾く体の方向を変えて、何とかふかふかのベッドに倒れ込む。
『……も〜！危ないやろ！』
長「んは、Aちゃん倒れるん上手ない？」
『2人してベッドから落ちたら大変やろ？』
長「全身打撲ですね」
『笑い事ちゃうねん』
相変わらず餅みたいな頬を摘むと、むにっとした感触が伝わってくる。
謙杜の澄んだ綺麗な瞳を見つめれば、顔と顔の距離がぐっと縮まっていく。
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なぁちゃん(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2023年1月7日 19時) (
レス) @page14 id: eb07325492 (このIDを非表示/違反報告)
ハートの花火 - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただいております。主人公ちゃんの頑張り屋なところが大好きです！これからも頑張ってください！ (2022年11月28日 19時) (レス) @page14 id: 96baaba9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星
| 作者ホームページ：https://twitter.com/sst__05
作成日時：2022年8月18日 18時
