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貴方.
『……寝たな、』
大「何やねんこいつ、ほんまにさあ」
『まあまあ……普段は大ちゃんの方が介抱してもらってんねやろ？大目に見たってよ』
大「待って、それ誰に聞いた？」
『大橋くん』
大ちゃんと正門くん、どちらとも仲の良い大橋くんは、先輩だけどとても優しい人。最近になって話すことが増えたけれど、私にも最初からとても良くしてくれていた。「大変なことない？大丈夫？」なんて声をかけられた日は、嬉しくて泣きそうになったのを覚えている。
「はっすんめ」とわざとらしく怒ったような顔をした大ちゃんは、改めて頼んでくれたらしい烏龍茶の入ったグラスを渡してくれた。
『ありがと、』
大「ん、ほんまに急に呼び出してごめんな。お腹は？空いてない？」
『お弁当食べてきてん、ロケやったから』
大「そっか、……Aも外のお仕事増えたなあ。ええことやね」
『うん、毎日色んなことあって楽しいよ』
目を細めて笑った大ちゃんは、同期だけど年上と言うこともあって、いつも私を温かく見守ってくれている。でも私からしたらもう既に雲の上の人、って感じで……ポジションが違いすぎるから、こうして話しているのも少し違和感。
彼は一度正門くんの方に視線を落としてから、そのまま目を伏せて「Aさあ」と話し出す。
大「……正門には結構甘いよな？」
『へ……？』
大「いや、小島とかには当たり強いやん。良い意味でな？……でも正門のことは人一倍気にしてる感じするっていうか、優しいっていうか」
『……それはさ、小島がいじってくるからで』
「別にそんなんじゃ、」
……そう言いかけてやめた。多分今の私の顔は、その言葉の説得力がないほど真っ赤で、情けない顔をしているんだろう。私も二人と同じで成人してたら、「お酒のせいやもん」って誤魔化せたんかなあ。
大「……ええと思うで、俺は。二人めちゃくちゃお似合いよ」
『まだ何も言うてない……』
大「流石に顔見たら分かるわ！Aな、もう��正門のことが好きです��って顔しとるよ」
誰が見ても分かるほど優しく笑った大ちゃんは、「ええ顔するやん」と私の頭を撫でた。こっちはもう、気が気じゃないって言うのに……
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