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貴方.
大「……いつか俺の前からおらんくなるんちゃうかって、ずっと思ってたよ」
『大ちゃん、』
大「やから、諦めんとずっと続けてくれて、ほんまに良かった……」
自分のことよりも、私のこと。優しすぎる大ちゃんだからこそかもしれないけれど、私は大ちゃんの方が心配だ。流星やトリオたちだけでなく、私のことまで気にかけてくれているのだから……じわりと滲む涙を拭って、振り絞るような声で「ありがとう」と伝える。
ずっとずっと不安だったけど、私、大ちゃんがいたからここまでやって来れたよ。
大「……で、色んな悩みとか不安は、まあ今後考えていくとして」
『うん？』
大「俺の心残りは、正門とAのことなんよなあ」
『……こころのこり、』
たった六文字のそれは、私の心に重くのしかかる。茶化すでもなく、いたって真剣にそう言ってのけた大ちゃんは、「何や死ぬみたいやな、俺」と呟いた。
そりゃあ私だって、許されるのであればずっと彼の隣にいたいと思う。普通の女の子と変わらないくらい、正門くんのこと好きだもん……余談だけれど、今は何とも言えないくらいハイになっているから、こんなにも恥ずかしいことを平気で思えてしまう。
大「Aがそれでええなら俺もええけど、多分ちゃうやろ？」
『……う、ん』
大「連絡来てないん？俺さっき返したけど、」
『まだ見れてないねん……有り難いことに通知止まらんし』
大「まあそれはそやけど」
親とは電話でやり取りをしたけれど、返信はまだ誰にもできていない。それを知っている大ちゃんは、「一番に返したりや」なんて私の頭を撫でる。ぐっと長押しをしてメッセージを確認すれば、そこに書かれていたのはいたってシンプルなもので。
「ほんまにおめでとう」
「早く直接会って伝えたいです」
「今日はよく寝て休むんやで」
どれもこれも優しすぎるほど優しいメッセージで、どこまでも正門くんらしいと思った。
『……電話してみてもええかな、』
大「喜ぶんちゃう？」
『うん……そうやといいけど』
大「大丈夫やから。自信持ち？」
穏やかな声で背中を押してくれた大ちゃんのおかげで、何とか通話ボタンを押すことができた。もののワンコールで繋がって、「もしもし」といつもより高いトーンの彼の声が聞こえる。
『ま、正門くん……わたし、』
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