58. 女の子は負けない ページ8
涼介.
『ん〜……』
涼「Aちゃん……」
思っていたよりも早く、その時が来た。
彼女の月一のそれが、人よりも重いものだというのは、長年そばにいたからよく分かっていた。それでもその期間の彼女を支えていたのは、薮ちゃんや光くんだったわけで。姉や妹を見てきたおかげか、まだ理解はあるつもりだけど……
実際一番そばで面倒を見るとなると、どうしてあげるのが良いかなんて、一つも分からない。症状や苦しさには個人差があるのだから。
『……あ、涼介、ごめんね……大丈夫だから、ゲームでもしてて?』
涼「いやいや……できないよ。いやでも、その方がいいなら、何なら帰るけど、俺」
『そばにいてほしくないとかじゃないんだよ……ほんとに、』
涼「Aちゃん……」
仕事中もしんどそうだったから、勢いで彼女の家まで来てしまったわけだけど……結局それも良くなかったんだろうか。自分の行動が間違っていたんじゃないかと、考えれば考えるほど不安になってしまって。今の彼女に、さらなる悩みを抱えさせてしまった気がする。
ひたすらに考え込んでいる俺を見兼ねてか、Aちゃんは一旦ソファに座り直すと「こっち来てくれる?」なんて軽く隣を叩いた。
慌てて腰をおろすと、ふわりと微笑んだAちゃんは、「お邪魔します」なんて俺の膝に頭を預ける。上から覗いた顔も安定に可愛かったけど、顔色が悪い……真っ青だ、なんて胸が痛くなる。
涼「……硬くない?俺の膝」
『ん〜?いい感じだよ、ありがとう』
涼「そっか……他にはある?俺にできそうなこと」
『そうだねぇ、』
痛みに耐えた証か、額に貼り付いた前髪を横に流す。そして幾分か楽そうに息を吐いたAちゃん。……薬が効いてきたのかな。さっき飲んだところだって言ってたっけ。
許されるなら、いつも頑張りすぎる彼女をとことん甘やかしてあげたい。それすらも鬱陶しいなら、俺は本当に帰るから……
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流星(プロフ) - りーさん» りーさん、コメントありがとうございます。本当にお待たせしてすみません…( ; ; )楽しみにしてくださるお気持ちに応えられるよう、私なりのペースではありますが、今後も頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - ちゅんさん» ちゅんさん、コメントありがとうございます。いつまでも応援してくださる方がいて、私は本当に幸せ者です( ; ; )お待たせいたしましたが、細々と続けて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします! (2023年2月4日 3時) (レス) @page50 id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 更新楽しみに待ってます…! (2022年8月29日 20時) (レス) id: 6a01619271 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しかったです!この作品とっても大好きです!!これからも応援してます!!! (2022年5月9日 23時) (レス) @page50 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - りーさん» りーさん、いつもありがとうございます!有り難いお言葉すぎます( ; ; )そうですね、そろそろメンバーにバレてもおかしくないですよね…(笑)入念に計画しようと思います!これからもよろしくお願いいたします! (2022年3月13日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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