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『ちょっと、なんか言ってよ?』





言えない。





何も言えない言えるわけない。





" そうだね "





そんなこと言ったら、私も海を過去の人だって認めることになる。





絶対やだ。





そんなの、私が許さない。





それに、いま口を開いてこの話に触れたら、泣いてしまいそうで話せない。





「……そ、そういえば、今日出かけることひなたちゃんには言ってあるの?」





だから、話を逸らした。





この話に持ってくのも辛いけど、過去の話を掘り返されるよりはマシだ。





『あー、言ってない』





「え?」





これは予想外の返事だった。





あんなに彼女大切アピールしてるのに、言ってない訳はないと思ってたから。





「え…それやばくない?」





『え、そう?』





なんで!?なんで分かんないの!?
誰がどう見てもやばいでしょ!!





「いやだって、ひなたちゃんにこの場面見られたらどうすんの!?」





『それはどうにでもなるでしょ』





「ならないよ!?バカなの!?…もう最悪、私帰るよ」





『え?なんでよ、もうちょい居てよ』





「やだよ、危険は事前に回避すんの」





『危険じゃないよひなたは大丈夫だって』





「そんな確証どこにもないし。ひなたちゃんが見たら、完全に浮気だと思うよ…」





最後まで言い切れたかどうかは分からない。





腕を引かれて、気付いたら海の顔が目の前にあった。





2秒くらい経って、ようやく状況を理解した。





海に…キスされてる。





一瞬、罪悪感なんてものはなかった。





あぁ、懐かしいな。この感じ。





それだけだった。





次第に " 佐野ひなた " の顔が浮かんできて、慌てて海を押した。





てかここカフェ!ショッピングモール!





「なに…してんの…」





少しも笑わず、真っ直ぐに私を捉えているその瞳は、逸らすことができない。





そのまま海の唇は、私の耳元で囁いた。





『ほんとにしちゃおっか。浮気』





真顔でこの目をしている時の海は本気だって、あいにく私は知ってしまっていた。





*☼*―――――*☼*―――――


どうも、ましゅまろです。

こんなにドロドロするつもりじゃなかったんです…
許してください…



それでは、これからも『勿忘草』をよろしくお願いいたします!

評価、お気に入り登録のほうもよろしくお願いいたします!


*☼*―――――*☼*―――――


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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年3月19日 1時

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