勿忘草 (ページ19)

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海と約束した2日後、私の最寄りのショッピングモールに行くことになった。

海いわく、ここのショッピングモールが1番大きくて品揃えがいいらしい。

そんなこと知ってんなら1人で行けよって思ったけど、2人で外を歩ける嬉しさに勝る感情はなかった。

『ね、やっぱ女の子って雑貨とかがいいの？』

「なんで私に聞くの？」

『え、だって今日相談相手として来てもらったんだから聞かないと』

「…あそっか…」

そんなこと、なんで私に聞くんだ。
私にプレゼントくれたやつはどうやって選んでたんだよ。

一瞬だけ。

私が隣にいるのに、私のことを1ミリも考えてない海に、一瞬だけ。

怒りがわいた。

でも私はいま、海に信頼されてここにいる。
理由はどうあれ、海に誘われて一緒にいる。

今は、海に信頼されてる私を演じなきゃ。

『…雑貨は意外とハズレなしかな。あとはちっちゃい小物とか』

『あー…小物ねぇ』

「あ、ひなた…ちゃん？料理するんだったらキッチングッズとかでもいいかも」

『なるほど…』

真剣に悩む海を見てて、心の底から " 佐野ひなた " が羨ましくなった。

同時に、過去になった海との思い出を引っ張り出して、1人泣きそうになっていた。

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