18. ページ18
·
『ねぇ』
今日は火曜日。
いつものように、海と私だけでスタジオにいた。
「なに?」
『いや…さ、Aに頼むのもどうかと思ったんだけど…』
「じゃさくらに頼んだら?」
『や、でもAにしか頼めないこと!』
なんなんだよどっちだよ。
でも、海から私にしかできないって言われるなんて、正直心は踊っていた。
『…ひなたがさ、もうすぐ誕生日で。誕プレ買うの、手伝ってほしい』
は?なんで私が?
ていうかなに、手伝いって?
私の誕生日の時も、そうやって誰か別の人に頼んでたの?
っていう思考とは逆に、行動は正直だった。
「いいよ、別に。」
だって、こういう理由がなきゃ、この時以外で海と2人きりになれない。
" 佐野ひなた " が怒るかもなんて、そんなことこれっぽっちも考えなかった。
" 佐野ひなた " より多くの時間を過ごすことはできないけど、その分 " 佐野ひなた " より濃い時間を過ごさないと。
そうしないと、
海の気持ちを、もう一度私に向けることはできない。
·
84人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年3月19日 1時