やっぱり運命の人~third~

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佑亮の言葉なんて聞こえずに、食堂を出て静かな場所へ移動した。





一呼吸おいてから、恐る恐る電話に出る。





『………もしもし…』





「…………………稜雅……さん…」





『…っ！……ほんとに、…A…さん？』





「………うん…」





身体が勝手に動くってこういうことだろう。





スマホと定期だけを持って、気付いたら会社を出て走っていた。





『Aさん！！』





勢いあまってドアを開けると、目を開けたAさんが、ゆっくりこちらを向いた。





「……稜雅…さん…」





『Aさっ……よかった、ほんとによかった…！』





「いたっ…」





『あ…ごめん』





衝動的にAさんに抱きつきに行ったけど、まだ身体を動かすのは痛いみたいだ。





『…医者は？呼んだ？』





「…まだ」





『…は？え、なんで…』





Aさんの、医者を呼んでない発言にやっぱりぶっ飛んでんなって思いながら、代わりにナースコールを押した。





『…目覚めて1番最初にすることこれだろ…』





「…私にとっては…稜雅さん、に…報告が…い、ちばん…だか、ら…」





途切れ途切れのかすれ声でも、俺にはしっかり届いたよ。





直後、医者が来て俺は病室を出された。





…俺は、





Aさんに告白していい男になれてるんだろうか。


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