十八章ー我ー ページ23
いつ頃からだろうか。
俺が、この性格を…というより、この能力を手に入れようと思ったのは。
A「……」
俺は、ことりと写真を見ながら、そう考えた。
写真には、俺と、ことりと、穂乃果と、海未が笑っている姿が写してあった。
ことり「昔は、A君はよく笑ってたよね」
A「そう、だな」
いつか見た、ことりの切なげな顔。
その顔に、俺の胸はチクリと痛み、言葉が詰まる。
ことり「…A君は…私達のために、そうやって…無理、してるんだよね？」
俺は、昔を思い出すのが本当に嫌だった。
A「お…おれ、は…」
ことりは、いや。俺の幼馴染組は、恐らく皆気づいている。
本当は、俺の厨二病などハリボテで。
本当の俺は、もっと気弱で軟弱なやつだということを。
そうだな。コレを説明するには…。
まず、小学生の頃まで時間を巻き戻さなければならない。
A「南さーん！」
ことり「A君？どうしたの？」
A「穂乃果ちゃんがいないんだけど…」
ことり「あ、かくれんぼ？」
A「いつの話！？僕らもう5年生だよ！？」
時は、俺たちが小学生5年生。
いや、こちらでは、『僕』だっただろうか。
A「なんか…どっかで泣いてる気がする…」
海未「どこかで転んでそうですね」
A「おっと、園田さん」
『僕』は結構穂乃果と仲が良かった。いや、二人とも仲は良好だったが、穂乃果とはことさら仲良しだった。
A「僕、探してくるよ。昼休みまだあるし」
ことり「あ、私も行くよ！」
海未「では、私も」
『僕』達は、三人で穂乃果を探すことにしたのだ。
穂乃果が見つかったのは校庭だった。
その時の顔はよく覚えてる。
今にも泣きそうで、必死に堪えているのがありありと分かる顔。
ことり「穂乃果ちゃん？大丈夫？」
海未「ど、どうしたんですか？」
『僕』達が駆けつけると、穂乃果はいよいよ泣き出してしまった。
穂乃果「あの子達が…Aの…悪口言ってたから…Aはそんな人じゃないって言ったら…」
ことり「ひ…ひどい！」
海未「本当に。穂乃果、そんなのは、気にしなくても大丈夫です！」
穂乃果「でも…Aが…」
A「う、うーん…正直、僕はあんまりよく分からないけどなぁ」
実を言うと、この時の『僕』は、勉強ばかりしてるひ弱なガキだったのだ。そういう話があっても不思議じゃないほど真面目だった。
これだけなら、まだよかったんだが…この話には、続きがあるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菊(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (
レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ！ (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菊 | 作成日時：2015年1月12日 13時
