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三十三章ー豹変?ー ページ41

真姫「…はい。こんな感じ」

A「すまん」

真姫「で、記憶がなくなるの?」

A「ああ。この頭がフワフワする感覚。間違いなく、記憶の消去が始まる予兆だ」

真姫が書いてくれた文字に目を通しながら頭を押さえつける。

A「あと数分後。とんでもないスピードで俺の脳細胞は死滅し、記憶の消去が始まる」

真姫「それって、最悪の場合植物状態になるわよね。大丈夫なのかしら?」

A「多分な。まぁ、そのためのこれだ」

記憶を失うのを自覚しているのとしていないのとでは大きく差がある。
更に記憶を失ってから思い出そうとするのはできるだけ早い方がいい。
故に、真姫にはその思い出すための道具として、紙に様々なものを書いてもらった。

とりあえず、学院とあいつらの事さえ思い出せれば、後はどうとでもなる。

A「っ!!」

どうやら始まったようで、目の前の景色がかすみ出す。
この感覚が収まる頃には、俺は全てを忘れている。

A「させる…ものか!」

俺は紙に書かれている情報を全力で頭の中にインプットし続ける。気休め程度にはなる。

程なくして、視界が元に戻る。
俺は額の脂汗を拭った。

真姫「ちょっと…だ、大丈夫?」

A「ぐっ!はぁ…はぁ…!大丈夫!」

数少ない脳細胞をフルで使って記憶している状態。気を抜けば一瞬で全て忘れる。
いや、もう結構忘れてるものも多いとは思うけど、そこら辺は知ったこっちゃない。

二時間ほど経過して、ようやく頭痛は治まった。

A「安定、したかな」

真姫「じゃあ、確認。私の苗字は?」

A「苗字?…えーと…、今思い出す。いや、君が誰かは分かっているよ。ちょっと待って…」

真姫「…話には聞いてたけど、貴方のそれ、そんなに達の悪いものだったのね」

A「…西、えーと…」

真姫「もういいわよ。西木野よ。その分だと、名前とかも危なそうね」

A「いや。真姫。大丈夫だよ。徐々に思い出せてきた」

元より、記憶が消える、というか思い出せなくなる。という表現の方が正しかったりする。

A「真姫が居てくれたおかげで何とかなったよ。ありがとう」

真姫「…ねえ?A。貴方なんかキャラ変わってないかしら?」

A「え?そうかな?僕は何時もと同じ…」

真姫「……」

真姫が僕をジロジロと見たかと思うと、ガッと僕の肩をつかんできた。

真姫「貴方、誰よ!?」

A「えええ!?」

何がおかしいのか、僕は真姫に肩を揺すられまくった…。

三十四章ー失った物ー→←三十二章ー記憶の消去ー



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(プロフ) - こちらでも生存報告しておきます。私生活多忙のため、続編を書けていないこと、誠に申し訳ございません。完結まではもっていくつもりですので、どうか長い目で見守ってください (2015年5月13日 18時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 何とか生存しててよかったです。無理しないで頑張ってください (2015年3月6日 21時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うえぽんさん» 一応生存報告をw学校でテスト中でして製作止まってますw復帰は2日後か3日後となります… (2015年3月6日 7時) (レス) id: 757134f30c (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 続編ファイトだよ! (2015年3月5日 20時) (レス) id: 8b695f2b6e (このIDを非表示/違反報告)
うえぽん - 自分もミューズのメンバーはすきだけど、ことりと花陽が好きですね。更新お疲れ様です♪ (2015年3月2日 20時) (レス) id: 52f8adeea0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年1月12日 13時

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