07 ページ17
.
聴診が終わって、細長い指で瞼を下げられた。
慎「ん。さっきよりましになったね」
大きな手が頭を撫でて、診察はようやく終わった。
慎「4時の休憩にまた来るから」
「うん、頑張ってね」
休憩のほとんどを私の為に費やしてくれた慎は
白衣をなびかせながら、仕事へと戻っていった。
一方で私はすっかり目が覚めてしまって
ついにすることがなくなったのて
スマホ片手にネットサーフィンへ。
何度も寝返りを打って、時刻を確認して...
慎の休憩まであと1時間。
トイレに行くために起き上がって
そのついでに内科の医局をちらっと覗いてみた。
難しい顔をしてパソコンと向き合う慎を発見して
なかなか見られない姿に見とれていると
不意に顔を上げた慎と目が合ってしまった。
慎「A!?.....どうかした?」
焦ったように慌てて駆け寄ってくる慎を見て
ついつい笑ってしまう。
「どうもないよ。トイレ行ってただけ」
慎「上着は?身体冷やしちゃだめだって」
「忘れちゃった。もう戻るね」
仕事の邪魔になるのは不本意だから当直室に戻ろうとすると
すぐそこまでの距離でも、慎は送ってくれるらしい。
慎「目覚めちゃった?」
「うん、もう元気になったし。慎は眠そうだね」
高身長の慎を見上げると
大きなあくびをして目を擦っている。
慎「あと1時間したら一緒に寝る」
「いっしょに...?」
慎「うん。だから待ってて」
最後にとんでもない発言を残して
慎はひらひらと手を振りながら
踵を返して元居た場所に戻っていった。
冷えた身体を温めるために布団に潜り込んで
ニヤニヤがおさまらない顔を隠した。
794人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mei - 読んですぐ『好きなやつ!』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます! (2019年11月8日 1時) (レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました!!いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ(なっちゃん)のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです!!この3人のお話がもっとみたいです!続編希望です! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです!続編見たいです! (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです!ずっと読みたいです!続編を望みます!主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか?緊急事態になったりとか? (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みやあ | 作成日時:2019年10月12日 14時