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点滴の速度を調節しながら

「ゆっくり休んでて」とAに声を掛けると


「夜勤に向けて寝てたから目が覚めてる」

そう言っていた彼女。



しかし点滴の終了時刻を狙って再び当直室に顔を出すと

疲れが溜まっていたのか

寝息を立てながら眠っていた。



眠っているAの頬にそっと手を当て

熱っぽさが伝わってこないことに胸をなで下した。


Aを起こさないように慎重に固定テープを剥がして

点滴を抜くものの、さすがはナース。

僅かな物音で目を覚ましてしまった。



慎「ごめんね、起こしちゃった」


「ううん、大丈夫。ありがとね」



俺に向かって伸びてきた手を掴まえて

ギュッと握ると、安心したように微笑んだ。



「いま何時?慎は休憩中?」


慎「そう。2時前の休憩中」



白衣の袖を掴んで


「まことがドクターになってる」


と、Aは嬉しそうに笑う。




慎「Aの回診に来ました〜」


そう言いながら首に掛けていた聴診器を手に取ると


「待って、やだ。しなくていいから」


白衣を着ているのが好きだと

耳にたこが出来るほど聞かされているが

ドクターの俺はどうも好かれない。



掛け布団を顔の近くまで引き上げて

完全防御の体制をとるAを横目に

耳にイヤピースをはめ込んだ。


「待って、ほんとに..する.....?」


慎「だって樹さんもほとんど診察してないって言うし」


そんなに首を横に振って拒否されると

それはそれで傷つく。



慎「俺じゃヤダ?」


「嫌じゃないけど........しい..」


消え入りそうな声で恥ずかしいって。




慎「布団被ったままでいいから。でも寂しいから顔は出して」


そう言うと、真っ赤な頬を携えて顔が出てきた。



Aの頭の横に移動した。


慎「首元から手入れるよ。ゆっくり深呼吸しててね」

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Mei - 読んですぐ『好きなやつ!』ってなりました。ガッツリ医療系ではないのですが、私自身少し医療分野に関わる実習に行っていたこともあり、共感する部分も多くありました。これからも楽しみにしてます! (2019年11月8日 1時) (レス) id: 6c146f9d58 (このIDを非表示/違反報告)
To(プロフ) - すごく胸キュンでした…占ツクの中で一番好きな小説になりました!!いつきくん最高でした…。またこ の続編やファンタ(なっちゃん)のドクターシリーズも読みたいです。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 55722799bd (このIDを非表示/違反報告)
yuki - このお話めっちゃ好きです!!この3人のお話がもっとみたいです!続編希望です! (2019年10月26日 18時) (レス) id: 02ed079c97 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ドクターシリーズすごく好きです!続編見たいです! (2019年10月25日 18時) (レス) id: 3a12b44223 (このIDを非表示/違反報告)
桃の木m r i(プロフ) - 面白かったです!ずっと読みたいです!続編を望みます!主人公の体調不良多めで笑倒れたりとか?緊急事態になったりとか? (2019年10月25日 16時) (レス) id: ce5b46e04d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやあ | 作成日時:2019年10月12日 14時

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