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カタカタ、とキーボードを打つ手を止めて、私は大きな溜息を吐く。
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景瑚｢…｣
｢…はぁ…｣
景瑚｢…｣
｢……はぁぁぁ｣
景瑚｢あー！うるさい！何なのさっきから！」
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朝から何度も出る溜め息。
いくら仕事に集中しようと思っても、頭の中には白岩…さん、の姿しか浮かばなくて
、それは時間が経つにつれて増していくばかり。
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景瑚の目線が気になって私はもう一度手を止めて景瑚の方を見た。
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景瑚｢お、親友に話す気になった？｣
｢…あ、のさ｣
景瑚｢うん｣
｢もしね？景瑚だったらの話なんだけど」
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｢好きでもない女の子に、一緒に帰ろうなんて自分から誘う？」
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は、と景瑚の目が点になっているのが分かる。
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え？と戸惑いを隠せない様子の景瑚に私は戸惑う。
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景瑚｢…まさか、とは思ってたけどA…｣
｢…ん？｣
景瑚｢幼馴染みの次はストーカーに騙されてるの…？｣
｢……｣
景瑚｢……｣
｢…そ、そんなことあるか！ばかたれい！」
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その場に響く私のでかい声。景瑚が焦って｢しー！｣と人差し指を口の前に当てる。…無駄に可愛い。
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｢…そ、そんなことあるわけないでしょうが馬鹿なの？！｣
景瑚｢じゃあ他に何があるって言うの！｣
｢…そ、それは…」
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なに、と喧嘩腰に聞いてくる景瑚に黙りこんでしまう。
好きな人が出来た、ただそれだけなのに言葉になってくれない。
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うぅ…と私は景瑚に何も言えずにいると、景瑚が｢俺なら｣と口を開いた。
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作者名：カスミ | 作成日時：2022年6月8日 23時
