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夜の街。
マフラーに、顔を埋めたくなるほどの寒さ。
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瑠姫「…あの、この前の」
｢…公園でお会いした…｣
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純白のドレスの前で目が合う。
前会った時とはガラッと印象が変わっていて、スーツにマフラーとシンプルなスタイル。
やっぱり格好いい…と、つい見惚れた。
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瑠姫｢これ、見てたの？｣
｢あ…はい、綺麗だなって…」
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へ〜、とディスプレイに再び目を向ける彼。
その横顔は恐ろしく綺麗で、大袈裟だけどそのドレスよりもずっと輝いて見える。
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瑠姫｢…お姉さんさ、｣
｢…はい｣
瑠姫｢帰り道、こっち？」
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指差された方向。
そっちは、私の家がある方向で私と彼が出会った公園もその方向にある。
｢そうですけど…｣と頷きながら口にすると、｢そっか｣と彼は私の目をゆっくりと見た。
綺麗な瞳に、私が映る。
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瑠姫｢…俺も一緒の方向だからさ｣
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瑠姫｢一緒に帰ろっか」
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……ん、？
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｢…は、…え、？｣
瑠姫｢…え？｣
｢一緒に…？｣
瑠姫｢だめ？｣
｢…い、いや、ダメじゃないけど…｣
瑠姫｢じゃあ帰ろうよ」
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へ？と目を点にする私をよそに、何故だかやけに冷静な彼は私の前を進んでいく。
状況を把握出来ない私に、彼は少し進んだところで立ち止まってクルッと振り返ると
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瑠姫｢ほら、そんな所立ってたら寒いよ？」
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そう言って、笑った。
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作者名：カスミ | 作成日時：2022年6月8日 23時
