日記の後の話2 ページ15
それから一週間近く経った。
高橋に頼まれたものの、未だ傘は返していない。
(アイツに会いに行きたい。けど……)
『……わかった。もう俺はお前を追いかけないし、話もしない。……お前がこんな奴だったなんて、思わなかった。』
あの時俺が言ったセリフが脳裏を過る。
「今さら……会いになんかいけねーよ……」
そんなことするようなやつじゃないって、一番知っていたのに。
何か事情があるのかもしれないと、どうして考えなかったんだろう。
「返さないの、傘。頼まれたのに。」
「研磨……」
「……俺、その内会いに行くけど。部活オフの日とか。」
(クロは来ないの？)と目が言っている。
「行くよ。……いい加減逃げるのにも飽きたしな。」
――――――――――――――――――――――――
そしてその日。
「……何かこの辺久しぶりだな……」
「あ……」
「何だ？」
目線の方を見る。
「……公園。あの時の。」
確かにあの公園だった。
ただ、あの時よりも寂れている。
「……アイツのブランコすごかったよな。」
「クロ同じことしようとしてブランコから落ちたよね。」
「……うるせー。」
そんなことを話しながら歩いていたら、いつの間にかついていた。
「確かこの辺「クロ！」……なんだよ。」
研磨の顔が青い。
「……Aのお祖母さんがどんな人だったか覚えてる？」
「ん？ あ〜、2、3回しか会ったことないけどな。」
割りとオシャレなばあちゃんだった気がする。
「あれだろ？ なんか、いつも明るい色の服着ててさ。」
「うん……。ねぇ……あれ、Aのお祖母さんだよね……」
「ん？ 」
その時見えたのは、黒い服を着たAのお祖母さんだった。
……喪服を着た、Aのお祖母さんだった。
「誰の…………？」
「……一人しか居ねーよ…………」
『私の家族？ …………お祖母ちゃん！ 後は居ないの。2人っきり。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えま - 舞璃花さん» レス遅れてごめんなさい！ 感動して頂けて嬉しいです……ありがとうございます！！！ (2017年1月20日 22時) (
レス) id: 9535ab89b8 (このIDを非表示/違反報告)
舞璃花(プロフ) - お話とても良かったです！感動して泣いてしまいましたw続編を読むのがとても楽しみです！続編読んできます！ (2016年5月28日 12時) (レス) id: 0311422590 (このIDを非表示/違反報告)
えま - DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀｀)∩さん» ありがとうございます！！！ 続編の方もよろしくです！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
DA☆SA☆KU☆SYA(∩´∀｀)∩(プロフ) - 見に来ました！ 面白かったのでついでにお気に入り登録もさせていただきます(≧▽≦)（（もう続編出てるんですけどね(笑) 続編のほうも評価しにいきますので('ω')ノ (2016年4月12日 19時) (レス) id: 409c42c952 (このIDを非表示/違反報告)
えま - おねむさん» ありがとうございます！！ 続編もよろしくお願いしますm(._.)m (2016年4月8日 23時) (レス) id: c2b65fcd72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
