【ハイキュー！】彼をふってからしたこと。【黒尾鉄朗】

日記の後の話1 ページ14

黒尾side

「は……？」

「……だから、Aが学校に来てない。」

「何で……」

退学騒動の次の日だったこともあり、好き勝手な噂が流れる。

(白崎さんも仲間だったんだよ！)
(やっぱり何かしてそうだと思ってた〜)
(やっぱ美人は怖いってホントかもね……)
(てか天罰じゃない？ 黒尾くんふったんだしさ。)

根も葉もないとは言えないような物も中にはあった。

(……退学させられたんだろうな。)

「やっぱり、首謀者の一人だったんだな……」
「違う。」

間髪入れず研磨が言う。

「だってあの状況じゃ……」

「少くともAは退学させられたんじゃないよ。……自主退学だって。」


じゃあ。先行ってるね。

そう言って歩いていく。


「……俺、何か間違ったんじゃないか、もしかして。」

それも最初の方に。



(とりあえず朝練行くか。)


――――――――――――――――――――――――


もうボールの音が響いている。


(研磨……なわけないか。先に着いても練習してるわけないし。)

「おはようございます。あ、研磨さん先に来てましたよ。」

「はよー。……由香ちゃんさ、あの後嫌がらせとかあった？」


「無かったです、一回も！無視とかも無くなったし……なくなったものも全部返ってきました。」

「よかったな！」

「はい！ ……あの。」

晴れやかだった顔が少し曇る。

「何だ？」

言い出すのをためらいながら、こう言った。



「白崎先輩の家……知りませんか？」

「……Aに何かされたのか？」

「違います！！」

慌てたように言う。


「じゃあ何でだ？」

「傘………………貸してもらったんです、返さなきゃ。」


(……え？)

Aは高橋の事をキライ。そうだったはずだ。


なのに何で傘なんて貸してるんだ？

「……返さなくてもいいだろ。お前の嫌がらせだってアイツの所為かもしれな……」
「絶対違います！だって……」


「……私、時々白崎先輩と目が合う事がありました。その度に先輩はニッコリ笑ってくれたんです。」

「それだけ、って思いますよね。でも、変な事言いますけど……白崎先輩じゃないですよ。絶対に。もしそうだったとしても、何か理由があるはずです。」


何の迷いもなく、はっきりそう言いきった。


「……変だな、確かに。何でそんなに自信あんだよ。」


「変なのは先輩ですよ。……彼女なんだから、もっと変に自信もっても良いはずです。『俺の彼女がそんなことするはずない』って。」

「確かに。……そうだよな。」

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